20代から50代まで徹底分析!大卒年収の世代別・業界別ランキング

1. 大卒者の平均年収データ概要

大卒と高卒の年収差

大卒者の平均年収は599.2万円とされており、これは高卒者の平均年収と比べて大きな差があります。高卒の平均年収は国税庁の調査によると約400万円前後ですので、およそ200万円近くの差があるといえます。この差は特に中高年層で顕著になり、昇進や役職などのキャリア形成が進む中で学歴の影響が強まることが理由として挙げられます。一方で、若年層では初任給の差がそこまで大きくないため、20代の段階では学歴による年収差がやや小さい傾向も見られます。

男女別でみる大卒平均年収

男性の大卒者平均年収は655.3万円、女性の大卒者平均年収は470万円となっています。男女間には約185万円の年収差があり、特に40代でこの差は広がりを見せ、男性が926.7万円、女性が597.9万円となるため、約328.9万円もの開きがあります。一方で、20代では男性504.4万円、女性399.6万円と、男女間の差は約105万円とやや少なめです。この背景には、女性が20〜30代で育児や家庭の影響を受けキャリアが中断するケースや、女性管理職の割合がまだ低いことが挙げられます。ただし、2022年に施行された女性活躍推進法の改正により、企業に男女の賃金格差データ開示が義務化されたことで、将来的にはこの差も徐々に縮小することが期待されています。

大卒平均年収の推移(過去〜現在)

2023年における大卒者の平均年収は710.5万円となっており、前年の745.8万円から35.3万円の減少が確認されています。この年収減少の背景には、物価の上昇や経済の不透明感が影響している可能性があります。長期的な推移をみると、大卒者の年収は概ね増加傾向にありましたが、景気の変動や新型コロナウイルスの影響などの外的要因によって、一時的な減少も見られる形となっています。過去のデータを見る限り、大卒者は高卒者よりも安定した年収を得る傾向があり、キャリア形成における学歴の重要性が際立っています。

地域別の大卒平均年収の特徴

大卒者の年収は地域によって大きな違いがあります。都市圏では全国平均を超えることが一般的で、特に東京や大阪といった大都市では700万円以上の平均年収を得る大卒者が多い傾向です。一方、地方都市では年収が下がる傾向にあり、全国の平均年収599.2万円を下回るケースが目立ちます。これは、地方では企業規模が小さいことや、職種の選択肢が限られることが影響しています。ただし、地方では都市圏に比べて生活コストが低いため、実質的な収入の満足度が高い場合も多いと言えるでしょう。さらに、テレワークやリモートワークが進むことで、都市部だけでなく地方でも収入を伸ばすチャンスが拡大しています。

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2. 世代別に見る大卒年収の特徴

20代大卒の年収:初期キャリアの傾向

20代大卒者の平均年収は459.1万円で、男性が504.4万円、女性が399.6万円とされています。初期キャリアでの年収差は、男女で約105万円となり、男性の方が高い傾向にあります。また、一般社員として働く割合が男性79.9%、女性82.2%と高く、昇進の機会がまだ少ないことがこの世代の特徴です。

初期キャリアでは、収入が低めに感じることもあるかもしれませんが、専門スキルの習得や適切な業界選び、転職を視野に入れることで年収アップに繋げることができます。特にITや金融といった成長産業では、早い段階で年収の底上げが期待できるため、これらの分野が注目されています。

30代大卒の年収:年収増加のポイント

30代に入ると、大卒者の平均年収は590.2万円に上昇します。男性は703.0万円、女性は466.9万円とさらに男女差が広がる一方で、年収自体は全体的に増加傾向にあります。この世代では管理職に昇進するケースも増え、特に課長・部長職を占める割合が男性16.9%、女性5.5%とキャリアの中で重要なターニングポイントとなります。

30代は年収の伸びが期待できる世代とされており、勤続年数やスキルの向上、業界選びが収入に大きく影響します。また、転職活動を積極的に行うことで、市場価値を最大化する機会を得られる場合も多く見受けられます。

40代大卒の年収:キャリアの充実期

40代は、キャリアの充実期にあたり、年収が大きく伸びる傾向にあります。平均年収は男性が926.7万円、女性が597.9万円で、男女差は328.9万円に達します。この世代では、管理職経験が豊富な人材が多く、企業の中核を担う役割が求められるため、責任あるポジションに就く機会が増えます。

また、大企業に所属する40代の大卒者は、地方都市と比べて都市圏で高い年収水準を維持していることが特徴です。この時期にキャリアの軸をしっかり整え、スキルを活かした次世代リーダーとしての専門性を磨くことが重要です。

50代大卒の年収:ピークを迎える年代

50代は、年収がピークを迎える年代とされ、企業で定年までの残りのキャリアを最大限に活用する時期です。男性の年収では900万円台後半が一般的で、キャリアが順調に進んだ場合、管理職として企業の舵取り役を担当するケースが多いです。一方で、女性の年収は50代になると若干頭打ちになる傾向もみられます。

50代はこれまでの勤続年数や昇格の積み重ねが収入に反映される最終段階です。高年収を維持するためには、専門的なスキルのさらなる磨き込みや最新の業界動向への対応力が求められるとされています。また、この年代の年収は企業規模や地方・都市圏の差異が特に大きく影響するため、自分のキャリア設計を見直すことも効果的です。

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3. 業界別で見る大卒の平均年収ランキング

IT業界の年収事情

IT業界は大卒者にとって非常に人気が高い分野です。特にプログラミングやデータ分析、AIなどの分野は需要が高まっており、平均年収も上昇傾向にあります。20代では500万円前後が一般的ですが、30代以降ではスキルや経験による昇進に伴い、平均年収が600万円台に達するケースも見られます。また、大手IT企業や外資系企業ではさらに高い年収が期待できます。特に優れたスキルを持つエンジニアやプロジェクトリーダーは、早期にキャリアアップを図ることができ、高収入を得るチャンスが大きい業界です。

金融業界の年収は高い?

金融業界は一般的に高収入な業界として知られており、大卒者が目指す人気の分野でもあります。銀行や証券会社、保険会社など幅広い業種がありますが、特に外資系金融機関は年収水準が高い傾向にあります。20代では500〜600万円台が平均的な年収とされ、30代以降になると高い成果を上げることで1,000万円を超えることも珍しくありません。経済の動向や企業の業績に影響を受けるため、安定感よりも成果重視の文化がある業界ですが、専門知識と高い交渉力を兼ね備えた人材には大きなリターンが期待できます。

製造業の年収動向

製造業は日本の経済を支える基幹産業であり、大卒者にとっても安定した職場が魅力です。ただし業種や企業規模によって平均年収にばらつきがあります。自動車や電機業界などの先進分野では、大卒者の20代平均年収が450万円〜500万円程度、30代以降で600万円を超えるケースが多いです。一方で、中小企業では平均年収がやや低めになる傾向があります。しかし、製造業はスキルに応じて昇進や昇給のペースが速いのが特徴で、生産管理や研究開発職に就くことで年収水準を上げられる可能性があります。

小売・サービス業の年収特徴

小売・サービス業は大卒者にとって初期キャリアの選択肢になることが多い業界です。一方で、他の業界と比べると平均年収はやや低めの傾向があります。20代では300万円台後半から400万円台、30代以降では450万円〜500万円程度が目安です。ただし、マネジメント職に昇格した場合や本部勤務に異動した場合には、年収が600万円台以上になる例もあります。特にチェーン展開している大手企業では、研修制度が充実しており、スキルアップを図ることで高い収入を得られる可能性も広がります。

公務員の年収と民間企業の比較

公務員はその安定性から幅広い世代で人気の職業です。大卒の国家公務員では、初任給が20万円前後でスタートし、20代では年収400万円〜500万円台、30代以降になると昇給に伴い、年収が600万円前後に達する例が一般的です。一方で民間企業の場合、成果主義や業界トレンドの影響を受けやすく、年収の伸びが大きいことも特徴です。しかし、公務員は景気の影響を受けにくい点や、福利厚生が充実している点が大きなメリットです。そのため、安定を重視する方には適した選択肢と言えます。

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4. 大卒年収に影響を与える要因

勤続年数と昇格スピード

勤続年数と昇格スピードは、大卒の平均年収に大きな影響を与える要因の一つです。年齢別に見ると、一般的に勤続年数が長いほど給与が増加する傾向がありますが、その速度には昇格スピードが関係しています。20代では一般社員の割合が多い一方、30代以降になると課長や部長など管理職に昇進する人が増え、その結果年収も大幅に上昇します。特に男性の30代では16.9%が課長・部長に昇進しており、これが平均年収の増加を後押ししています。

一方で、女性の場合、昇進割合が男性と比べ低い傾向にあり、これが年収差を広げる一因とされています。法改正や企業の方針変化により、最近は女性の昇進機会を増やそうという動きが見られますが、昇格スピードは依然として大卒女性の年収を左右する重要な要素となっています。

企業規模(中小企業 vs 大企業)

企業規模もまた大卒の平均年収に影響を与える大きな要素です。一般的に大企業は中小企業に比べて給与水準や昇給幅が高い傾向にあります。これは、大企業が収益性が高く、福利厚生や人材育成にかける予算が多いことが理由として挙げられます。特に20代・30代では基本給やボーナスの差が顕著に現れます。

例えば日経転職版の調査では、従業員規模が300人以上の企業は、平均年収が700万円を超えるケースが一般的である一方、より小規模の企業では平均収入がそれよりも下回る場合が多いです。ただし、近年では柔軟な働き方を取り入れる中小企業が増え、スキル次第で大企業を上回る収入を得られる場合もあります。

業界トレンドの影響

大卒者の年収には業界トレンドの影響も大きな役割を果たしています。特にIT業界など成長が著しい分野では、大卒者の採用に積極的なだけでなく、高い初任給を提示する場合も多くあります。このような業界では、20代のうちから比較的高い年収を得られることが一般的です。

一方で製造業や小売業は、業績が景気に左右されやすく、景気の落ち込み時には年収にも影響が及ぶ場合があります。このように、業界の特性やトレンドが平均年収に与える影響は非常に大きく、多くの大卒者がキャリアの選択時にこれを考慮する必要があります。

地方都市と都市圏の違い

地方都市と都市圏の違いは、大卒者の年収に顕著に影響を与えます。都市圏では、企業規模が大きく、また業界選択の幅が広いため、平均年収が地方都市と比べて高くなる傾向があります。例えば、東京や大阪などの大都市圏では、全国平均よりも年収が上回るケースが多く見られます。

一方で、地方都市では生活コストが低いため、都市圏と比べ年収そのものは低くても生活の質を維持しやすいメリットがあります。また、地方では地域密着型の企業が多く、コミュニティの中で安定的に働ける環境が整っていることも魅力です。このように、どの地域で働くかは、単なる年収だけでなく、ライフスタイル全体を左右する要因となっています。

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5. 大卒の年収を最大化するためのヒント

スキルアップと取得推奨資格

大卒者が平均年収を大きく伸ばすためには、市場価値を向上させるスキルの獲得が重要です。特に、IT業界や金融業界で注目されている資格取得が効果的です。IT業界では、AWS認定資格や基本情報技術者試験などが求められるスキルの証明として位置付けられています。一方、金融業界では、ファイナンシャルプランナー(FP)や証券アナリスト資格がキャリアアップに直結しやすいとされています。また、継続的な学びを意識し、市場のトレンドに合わせたスキルセットを構築することで、20代・30代早期から昇進や年収アップのチャンスが増えることは間違いありません。

転職市場の活用方法

近年、大卒者の年収を増やす最も確立された方法として転職が挙げられます。特に30代において転職市場を活用することは、より条件の良い職場でキャリアを積むための有効な手段となります。日経転職版の調査によると、業界間での移動も平均年収の向上に寄与しており、IT業界や外資系企業への転職は高収入を目指す一つの選択肢です。また、企業規模や勤務地域に応じた求人を検討しつつ、転職エージェントやスカウトサービスを利用することで、効率的に自分に合ったポジションを見つけることができます。

長期的キャリアプランの立て方

大卒者が安定して高年収を得るためには、短期的な目標だけでなく、長期的なキャリアプランの設計が欠かせません。例えば、20代では専門スキルを磨き、昇格を目指す基盤を作ることが重要です。30代では管理職やプロジェクトリーダーなど、責任あるポジションを狙いつつ、更なるスキル向上に取り組むことが期待されます。そして40代・50代は、これまでの知見を活かし、組織全体に貢献する戦略的な役割を担うことで、年収のピークを迎えることが可能となります。また、この計画を実行するためには、定期的に自身の市場価値を評価し、時代の変化に合わせた柔軟性を維持しておくことが必要です。

高年収を目指す業界の選び方

業界選びは大卒者の年収に大きな影響を与えます。2023年の調査データを基にすると、IT業界や金融業界は高年収を目指す上で非常に有望であることがわかります。一方で、公務員や製造業では安定した収入が期待されますが、業界間での競争が比較的少ないため、急激な年収アップの可能性は低いと考えられます。また、特に都市圏ではスタートアップ企業や外資系企業での経験が、将来的に高収入につながるケースも増えています。自身の興味を軸に業界を選ぶと同時に、年収増加の可能性が高い職種や市場トレンドを見極めた戦略的な選択が必要です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)