コトラ（広報チーム） 
リース業界の基本理解
リース業界とは何か？仕組みと役割
リース業界とは、企業や個人が必要とする資産を、購入の代わりに一定期間使用するために貸し出す仕組みを提供する業界です。主に「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」という2つの取引形態があります。ファイナンス・リースでは顧客が設備を購入する代わりに、リース会社がその費用を支払い、貸し出す方式です。一方、オペレーティング・リースではリース会社自身が資産を所有し、それを貸し出す形態で、各種の産業機器や航空機などに活用されることが多いです。
リースの役割は、資金繰りに余裕を持たせたり、最新の設備を利用しやすくすることで、企業の競争力向上に大きく貢献する点にあります。また、リース業界は法律や税制など幅広い知識が必要で、金融業界に近い側面を持つのも特徴です。
主な業務内容と特徴
リース業界の主な業務内容には、営業活動を通じて顧客のニーズをヒアリングし、適切なリース契約を提案すること、契約後の資産管理やメンテナンス手配、さらに契約終了後の資産回収や処分業務が含まれます。特に営業活動は、既存顧客との関係性を深める「ルート営業」や、新たな顧客を探し出す「新規開拓営業」に分かれます。
特徴として、リース営業は「モノ」と「お金」の双方を扱うため、単に契約を結ぶだけでなく、顧客の事業計画や資産利用の最適化を支援する、提案力が求められる業務です。さらに、取り扱う対象がオフィス機器から医療機器、産業機器、航空機まで多岐にわたり、業務量が多く激務となる一面も見られることがあります。
リース業界と他業界の違い
リース業界は金融業界の一部として分類されることが多いですが、不動産業界や保険業界とは異なる独自の特徴があります。例えば、不動産業界は土地や建物といった固定資産を中心としていますが、リース業界では動産、つまり産業機器や車両など、使用後に再流通が可能な資産を取り扱う点が特徴です。
また、業務内容の大きな違いとして挙げられるのが、資金調達に加え顧客のビジネス拡大を支援する役割を担う点です。このため、リース業界では法律や税制の知識がより重要視されます。他業界よりも離職率が低めで「ホワイト」とされる一方、激務になる場合があるため、業務上のギャップに注意が必要です。
リース業界の主なプレイヤー
リース業界には、大手の財閥系企業や銀行系リース会社が中心となって存在しています。これらの企業は、資金力や信用力を活用し、大口顧客への設備リースを提供しています。特に銀行系リース会社は、既存顧客中心の営業スタイルが多く、安定した収益基盤を持つ点が特徴です。
その他には、特定分野に特化した独立系リース会社も数多く存在しており、医療機器やIT機器にフォーカスした専門的なサービスを展開しています。また、財閥系企業が経営するリース会社は、柔軟な営業スタイルと高い福利厚生が魅力とされています。企業規模や営業スタイルが異なるため、自分のスキルや価値観に適した企業選びをすることが重要です。
働くメリット：ホワイトな魅力を探る
福利厚生の充実度
リース業界は他の業界に比べて福利厚生が充実していると言われています。特に、大手リース会社では、住宅手当や食事補助、育児支援制度などが整っており、従業員が安心して働ける環境が整備されています。財閥系やプロスポーツ球団系列企業などでは、企業独自の福利厚生が用意されていることも多く、経済的な安定を支える要素となっています。このような充実したサポート体制は、家庭を持つ社員からも好評です。
安定した収益基盤と雇用環境
リース業界は、長期にわたる契約を基盤とするため、安定した収益が見込める特徴があります。金融業界に似た面はありますが、リースは不況時でも企業の設備投資や運営を支える役割があり、比較的景気に左右されにくいです。そのため、雇用の安定性が高く、他業界と比べて離職率が低い傾向にあります。また、業界規模が大きく、信用力の高い会社が多いことも、従業員に安心感を与えています。
転勤や残業時間の実情
転勤に関しては、会社による違いが見られるものの、リース業界では銀行や不動産業界ほど頻繁な転勤は少ない傾向にあります。特に本社勤務や地方拠点での勤務が中心の場合、職場の移動に対するストレスは比較的軽減されています。一方、残業時間については部署や役職によって異なりますが、全般的に他の激務とされる業界（例：保険、不動産）と比較して少ないとされています。ただし、繁忙期や顧客対応で一時的に負担が増える場合もあるため、仕事量は油断できない部分もあります。
働きやすい企業文化
リース業界では、「温い」という表現で語られることがあるように、職場の雰囲気が穏やかで働きやすい環境であることが多いです。特に銀行系のリース会社では、既存顧客中心の営業スタイルが主流となっており、新規開拓のプレッシャーが軽減されている場合もあります。また、同僚や上司との関係性が良好な職場が多く、チームワークを重視した文化が根付いていることが特徴です。このような風土は、長期的なキャリア形成を志す方にとって魅力的な要素となっています。
課題と現実：リース業界の厳しさ
激務となる場面とは？
リース業界は一見ホワイトな印象を受けがちですが、業務内容によっては激務となる場面も少なくありません。特に、期末や年度末は多くの企業が契約を締結しようと動きを活発化させるため、営業担当者はスケジュールが非常にタイトになります。また、顧客との関係性が重要視されるため、外回りの営業や緻密な契約調整作業に多くの時間を費やすことが求められます。不動産業界や保険業界と比べると離職率は低めですが、繁忙期においては同等の激務を感じるケースもあります。
ノルマや目標達成のプレッシャー
リース業界では、多くの企業が営業職に一定の目標やノルマを課しています。これはリース取引が企業間取引であり、契約金額が大きくなることもあるため、成果を明確に可視化しやすい側面があるためです。特に新規開拓営業が中心の企業では、顧客を開拓し、契約を取り付けるまでのプロセスに大きなプレッシャーがかかります。既存顧客中心の営業スタイルの企業ではプレッシャーは比較的少ないものの、顧客対応や契約更新業務に対する責任が重くのしかかる場合もあります。現場ではこうしたプレッシャーを乗り越えるメンタルの強さや対応力が重要となります。
業界の将来性と競争の厳しさ
リース業界は高度経済成長期以降、企業活動に欠かせない存在として成長してきましたが、近年では新規参入の増加や法規制の変更、経済情勢の変化などにより競争が激化しています。特に2026年に予定されている会計基準改正は、多くのリース取引に影響を与えるとされています。このような背景から、企業同士の競争がますます厳しくなっており、一部では業界全体の将来性に不安が感じられるという声もあります。一方で、この環境変化に対応できる柔軟性やスキルを持つ人材に対するニーズは高まっているのが現状です。
新技術への対応と変化の必要性
リース業界は、新技術やビジネスモデルの変化に対して迅速に対応する必要性に迫られています。AIやIoTといった技術の進化により、リース物件の管理や運用方法が効率化されている一方で、新しいサービスを開発し、競争力を保つための技術投資が求められる時代に突入しています。また、近年求められているSDGsや環境配慮型のビジネスへの適応もリース業界における重要な課題のひとつです。このような状況下では、従来の業務に加えて、新しい知識や技術を取り入れる努力が必要となり、現場の負担が増加することもあります。
リース業界でのキャリア形成
身につくスキルと人脈
リース業界で働くことで、幅広い知識とスキルを身につけることができます。この業界では、金融、税務、法律、そして対象物件に対する専門知識が必要とされるため、多岐にわたる分野でのスキルアップが可能です。また、営業活動を通じて様々な取引先と関わる機会が多く、人脈形成にもつながります。特に財閥系や大手リース会社では、取引先が中小企業から大企業にまで及ぶため、業界外でも有用な人脈を築くことが可能です。
キャリアアップの可能性
リース業界は、専門性の高さからキャリアアップの可能性が大きいと言えます。実績を積むことで、より大規模な取引を担当することができるようになり、それに伴い給与や役職も向上するとされています。また、業界自体が成長を続けているため、企業内の他部門への異動や管理職への昇進などのチャンスも見込まれます。さらに、経験次第では金融機関や他のBtoB営業職へのキャリアチェンジも視野に入れることができます。
転職市場での価値
リース業界での経験は、転職市場において高く評価されることが多いです。金融知識や営業スキルに加え、企業の資産管理や財務知識も実践的に活用できるため、即戦力としての期待が求められます。また、財閥系や資本力のある企業での経験があれば、それが強力なアピールポイントとなるでしょう。特に、激務と言われがちな不動産業界での経験をお持ちの方は、そのタフさや営業力を活かしてスムーズにリース業界に適応できる可能性が高いです。
自身のスキルを活かせる職場選び
自身のスキルを活かし、かつ成長できる職場選びが重要です。例えば、既存顧客中心の営業が得意であれば、銀行系リース会社がマッチするでしょう。一方で、新規開拓型の営業を希望する方には、よりアグレッシブな営業スタイルを持つ独立系リース会社などが適している場合があります。また、財閥系や大手企業であれば、福利厚生の充実や業界の安定性が期待できるため、長期的に働きやすい環境が整っていることが多いです。