コトラ（広報チーム） 
リース業界とは？基本知識を押さえよう
リース業界のビジネスモデル
リース業界のビジネスモデルは、企業が必要とする機械や設備をリース会社が購入し、それを長期間貸し出す仕組みが中心です。顧客企業は大きな初期投資を避けつつ、必要な設備を活用できる点が大きなメリットとなります。また、顧客ニーズに最適なリースプランを提案することが営業職の大きな役割となります。このため、リース営業には、顧客の設備投資計画を深く理解し、的確な提案を行うスキルが求められます。
ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの違い
リース契約には大きく分けて「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類があります。ファイナンス・リースは、中途解約が原則できない契約であり、リース対象物の購入費や固定資産税、保険料を含む「フルペイアウト」方式が特徴です。一方、オペレーティング・リースは必要な期間だけ設備を借りる契約で、リース終了時の対象物の残価を考慮して料金が決まります。これにより、必要な期間のみ柔軟に利用でき、コスト削減効果が期待されます。リース営業は、この違いを理解し、顧客に最適な選択肢を提供することが重要なポイントとなります。
リース業界の主要プレイヤーと市場動向
国内リース業界には、オリックスや東京センチュリーといった大手企業が存在し、その市場規模は2021年度の取引額で4兆2,186億円に達しました。この市場は景気回復に伴い回復傾向にあるものの、成熟しているため国内市場は頭打ちと見る向きもあります。その一方で、市場拡大を目指し海外展開を進める企業も増えています。リース業界では営業職に加え、審査・法務や経理といった専門的な職種も存在し、それぞれの分野で高度な専門知識が求められます。
他業界との違いとリース業界独自の価値
リース業界は、金融業界に属しながらも、不動産や製造業など多岐にわたる業界との接点を持つ点が特徴的です。他業界と比べてリースの仕組みは複雑である一方、企業の設備投資計画に密接に関わるため、顧客の経営課題解決に直接的に貢献できる点がリース業界独自の価値となります。また、営業職は多様な産業の顧客と関わるため、幅広い知識と柔軟な対応力が求められる職種です。このように、専門性と多様性が交差する環境がリース業界の大きな魅力となっています。
営業職の仕事内容と特徴
営業職の役割：リース契約を結ぶまでのプロセス
リース業界における営業職の主な役割は、顧客企業の設備投資計画に基づき、最適なリースサービスを提案することです。顧客との契約が締結されるまでのプロセスは、単に「商品を貸し出す」ことにとどまらず、顧客の予算、事業計画、財務状況までを総合的に理解する必要があります。
営業職は、まず顧客との商談を通じてニーズを正確に把握し、それに基づいてリース可能な商品やサービスを提案します。この際、ファイナンス・リースやオペレーティング・リースなどの契約形態についてわかりやすく説明するスキルが求められます。また、必要に応じて金融面でのアドバイスも行い、顧客にとって最もメリットのある契約内容をまとめることが重要です。
ヒアリング力と顧客ニーズの把握がカギ
リース営業では、顧客の抱える課題やニーズを的確に引き出すヒアリング力が非常に重要です。特にリースは長期間の契約になるため、顧客の事業計画や将来の展望を見据えた提案が必要不可欠です。このため、表面的な要望だけでなく、潜在的なニーズやリスクまで見極める力が求められます。
例えば、ある製造業の顧客が新しい生産設備のリースを検討している場合、その背景には生産効率の向上や市場拡大を狙った経営戦略があるかもしれません。営業担当者がこれらの事情を理解した上で提案を行えば、単なる設備のリースではなく、顧客の事業成長を支援する価値あるサービスを提供することができます。
リース営業の一日：具体的な業務内容
リース営業の一日は、多岐にわたる業務内容で構成されています。朝は顧客とのアポイントメントの準備から始まり、情報収集や提案資料の作成を行います。その後、顧客との商談や現場訪問を行い、ニーズに最適なリースプランを提案します。
また、契約に向けた社内調整も営業職の重要な役割です。審査部門や法務部門と連携し、顧客の信用審査や契約書類の最終確認を進めます。さらに、契約締結後は設備の納入スケジュールやメンテナンス体制など運用面のフォローアップを行い、顧客との信頼関係を築くことが求められます。このように、リース営業の仕事は多忙ですが、やりがいを感じられる業務と言えるでしょう。
業務のやりがいと難しさ
リース営業のやりがいは、提案したサービスが顧客の事業成長や課題解決に直接繋がる点にあります。たとえば、新しい設備を導入することで生産性が向上したり、コスト削減に成功したりといった場面で顧客から感謝の言葉をもらえることは、大きなモチベーションとなります。
一方で、その分責任も大きく、難しさも伴います。特にリース契約は長期間に及ぶため、契約内容や商品提案が顧客の事業計画に合致していない場合、トラブルに発展する可能性もあります。また、多岐にわたる業務を効率的に進めるためのスケジュール管理や、複数の部門と連携する調整能力も必要です。
これらの課題を乗り越えて契約を成立させた時、営業としての達成感や成長を実感できるのがリース営業の醍醐味ではないでしょうか。
リース営業に必要なスキルと向いている人
リース業界で求められる専門知識と勉強方法
リース業界の営業職では、専門知識が非常に重要です。リースは企業の設備投資を支える仕組みであり、ファイナンス・リースやオペレーティング・リースといった契約形態の違いを理解する必要があります。また、リースとレンタルの違い、税制や会計に関する基本知識も求められます。特にファイナンス・リースではリース料に固定資産税や保険料まで含まれる「フルペイアウト方式」の理解が欠かせません。
勉強の方法としては、業界関連書籍やビジネス誌を読むことで知識を深められます。また、リース会社が提供する研修制度を活用することも効果的です。さらに、営業職としての実務経験から得られる知識やスキルも重要です。たとえば、顧客の設備投資計画に基づいたリース提案は知識を実践に移す絶好の機会です。
営業職に向いている人の特徴
リース営業に向いている人は、顧客のニーズを深掘りできる人です。機械や設備のリースは顧客企業にとって大きな投資であるため、顧客の事業計画を正確に理解し、最適なリースプランを提案できる力が求められます。また、コミュニケーション能力が高く、顧客との信頼関係を構築できることも重要です。
さらに、数字やデータに強い人もこの職種に向いています。リース料の計算や費用対効果の見積もりなどを適切に行うため、数字に対する感覚や分析力が求められます。これらのスキルは、リース業界独自の価値を提供するための基礎となります。
問題解決力とコミュニケーション能力の重要性
リース営業では、顧客ごとに異なる課題を特定し、それを解決する提案を行うことが仕事の中心となります。そのため、問題解決力は不可欠です。たとえば、限られた予算で最新の設備を導入したいといった顧客の要望に対し、オペレーティング・リースを利用することでコストを抑えるといった提案が求められます。
また、課題を解決するためには、顧客とのコミュニケーションが必要不可欠です。リース契約は短期間で決まるものではなく、信頼関係の構築と細かなヒアリングが欠かせません。営業職として顧客のニーズや課題を的確に聞き取り、それに応じた柔軟な提案を行うことで、リース契約の成立につなげることができます。
未経験からでもリース営業は可能？
未経験からでもリース営業に挑戦することは十分可能です。リース業界では新人研修や教育プログラムが整備されており、初歩的な知識から実践的なスキルまで学べる環境が多くの企業で提供されています。また、営業職に必要なコミュニケーション能力や顧客対応スキルは、他業界での経験を活かすことができます。
未経験者の場合は、まずリース業界の基本的な仕組みや用語を理解することが重要です。そして、積極的に既存社員から学ぶ姿勢を持ち、業務を通じて専門知識を身につけていくことが成功への鍵となります。未経験だからこそ新たな視点で提案ができることも、リース営業で活躍できる理由の一つです。
リース業界で働く魅力と今後の展望
安定した市場と業界の成長性
リース業界は、企業の設備投資を支えるビジネスモデルを持ち、多くの業界と密接に関わっています。市場規模は2021年度時点で約4兆2,186億円と大きく、景気に左右される部分はありつつも安定した需要があります。特に、大規模な機械や設備の導入にはリース契約が欠かせないケースが多いため、安定的なビジネスとしての地位を保持しています。また、近年では法改正の影響やSDGsへの取り組みを考慮した新しいサービスが加速しており、さらなる成長も期待されています。
キャリアパスとスキルアップの可能性
リース営業は、金融知識や設備投資に関する専門知識を習得することが求められるため、高いスキルが身につく仕事です。加えて、顧客の経営課題に直接関わる機会が多く、課題解決力が養われます。こうした経験は、他業界にも応用可能で、キャリアの幅を広げる大きな助けとなるでしょう。また、リース業界では営業職からマネージャー職、さらには経営層へと段階的にステップアップするキャリアパスが用意されていることが一般的で、スキルアップとキャリアの明確な展望が魅力的です。
大手企業の多い業界の特徴
リース業界には大手の金融機関や信託銀行系の企業が多く存在しており、安定した企業基盤が特徴です。これらの企業は福利厚生が充実している場合が多く、働きやすい環境が整っています。また、規模の大きな会社では、国内外を問わず幅広いプロジェクトに携わるチャンスがあり、視野を広げながら多様な経験を積むことが可能です。このような環境において、規模感の大きなビジネスに触れる機会が多いことは、リース営業職の大きな魅力といえるでしょう。
AI・DXが進む中で変わる働き方
デジタル技術が急速に進化する中、リース業界もAIやDX（デジタルトランスフォーメーション）の活用が進んでいます。例えば、顧客ニーズの分析やリース契約手続きの効率化にはAI技術が積極的に活用され、業務効率が大きく向上しています。また、リモート営業や電子契約の普及が進み、働き方の柔軟性も高まっています。今後さらに進化を続ける技術とともに、業界全体の業務プロセスが大きく変革していくことが予想されます。この動きに対応するために、デジタルスキルの習得も重要となるでしょう。