IRや経営企画の経験は、予実管理、財務数値の分析、経営報告などを通じて、財務会計との親和性が非常に高いポジションです。特に上場企業での実務経験がある方は、決算業務や開示業務にも携わっていたことが多く、経理職への転職に必要な基礎をすでに備えているケースが多くあります。本記事では、IR・経営企画から経理(財務会計)職に転職するためのステップ、志望動機、職務経歴書の例をご紹介します。
1. 経理職が評価するIR・経営企画出身者のスキル
- 予算策定・管理、経営分析などの数値感覚
- PL・BS・CFの構造理解
- 月次・四半期のモニタリングとレポーティング経験
- 開示資料・IR資料の作成力
- Excel・PowerPointを用いた資料構成力
2. 転職ステップ
STEP1:経理と関連する業務の棚卸し
月次・四半期数値の管理、予実分析、財務KPIの設定など、経理業務に転用可能な経験を整理しましょう。
STEP2:会計基礎知識の補強
日商簿記2級程度の知識を習得・保有しておくと、仕訳や財務諸表の理解度に説得力が出ます。
STEP3:経理業務への意欲を明文化
「経営に近い視点を現場の正確な会計業務に活かしたい」「数値を通じて組織運営を支えたい」といったメッセージを言語化しましょう。
3. 志望動機(例)
IRおよび経営企画として、月次・四半期の数値管理や中計策定、経営陣への財務報告に携わってまいりました。数値を用いた実績管理や資料作成を通じて、会計の基礎や財務三表の構造理解を深める機会が多く、今後はより会計実務に近い立場で業務に携わりたいと考えるようになりました。
経営に近い部門での実務経験を活かし、精緻な数値管理・正確な会計処理によって、企業運営の信頼性向上に貢献したいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 誠
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:早稲田大学 政治経済学部 卒業(2012年)
職務要約
上場企業の経営企画・IR部門にて12年間勤務。中計策定、月次管理、財務KPI設計、IR資料作成を中心に、経営分析および財務モニタリングに従事。財務三表の理解と数値に基づく業績管理を強みとし、今後は経理業務を通じて組織運営を支えるキャリアを志向。
職務経歴
株式会社○○ホールディングス/2012年4月~2024年3月
所属:経営戦略本部 経営企画部/IR部門
- 財務KPI設計:PL・BSに基づく経営指標設計と進捗管理
- 月次管理:各事業部の数値集計・差異分析・レポート作成
- IR対応:四半期決算説明資料の作成、アナリスト質疑応答支援
- 中計策定:数値前提設計、キャッシュフロー見通し策定
スキル・資格
- 予実管理/財務分析/会計基礎知識/IR資料作成
- 日商簿記2級/TOEIC 880/Excel(関数・ピボット・VLOOKUP)
- PowerPoint/SAP/Oracle/DocuSign/Notion
“経営と現場の数字をつなぐ”視点を活かして、正確な会計基盤を築く経理担当者へ。