DX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルタントは、企業の業務改革・IT活用を支援し、変革を加速させる役割を担います。一方、システム監査は、情報システムの信頼性・安全性・効率性を確保するために、IT統制や運用プロセスをチェック・評価する専門職です。DX支援の中で得た業務知識やIT統制の実務経験は、システム監査の領域でも高く評価されるため、キャリアチェンジの可能性は十分にあります。本記事では、DXコンサルタントからシステム監査への転職ステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. システム監査が評価するDXコンサル出身者のスキル
- 業務プロセスとITシステムの構造理解
- システム導入・運用に関する実務経験
- IT統制(アクセス管理、ログ管理、変更管理など)の知識
- プロジェクトマネジメント経験
- リスクベースで物事を整理する能力
2. 転職ステップ
STEP1:IT統制・セキュリティ関連の実績を棚卸し
「ID管理フローの整備」「ログ監視システムの導入支援」など、統制・監査に通じる実務を具体的に書き出しましょう。
STEP2:システム監査のフレームワークを学習
システム監査基準、ISMS、COBIT、内部統制報告制度(J-SOX)などを体系的に学習し、用語や評価観点を把握しましょう。
STEP3:「チェックする側」としての適性を整理
改善・構築だけでなく「第三者的視点」「基準への適合評価」ができる視点があることを志望理由として示すと効果的です。
3. 志望動機(例)
DXコンサルタントとして、基幹システム刷新や業務改革プロジェクトに従事してまいりました。特にガバナンス整備やID管理・アクセス制御といった内部統制領域に携わる中で、ITリスクの見える化や統制評価の重要性を強く実感するようになりました。
今後は、企業の信頼性と透明性の向上に貢献できる立場として、システム監査にキャリアを進めたいと考えております。貴社の豊富な監査実績と育成環境の中で、実務経験を活かしながら成長してまいります。
4. 職務経歴書(例)
氏名:藤田 翔太
生年:1991年生まれ(33歳)
学歴:慶應義塾大学 総合政策学部 卒業(2014年)
職務要約
大手コンサルティング会社にてDX支援コンサルタントとして約9年間勤務。業務プロセス改革、基幹システム導入支援、ガバナンス強化プロジェクトに従事。特にJ-SOX対応支援、ログ管理、アクセス制御に関する支援実績が豊富。今後はシステム監査の専門家として、ITリスクの可視化と評価業務に携わりたいと考えている。
職務経歴
株式会社○○コンサルティング/2014年4月~2024年3月
所属:テクノロジー戦略ユニット
- 業務改革:製造業の基幹システム刷新(SAP)における業務要件定義とFit&Gap整理
- ガバナンス整備:アクセス管理プロセス構築、アカウント棚卸の自動化支援
- J-SOX支援:統制評価手続きの見直しとモニタリング体制設計
スキル・資格
- 業務改革/IT統制/J-SOX対応/アクセス管理/ログ分析
- システム監査技術者(学習中)/基本情報技術者/英語(TOEIC 870)
- PowerPoint/Excel/Tableau/ServiceNow/SAP
“変革を支援する立場”から、“リスクを見極める立場”へ。信頼性を高めるための視座で、ITに向き合うキャリアを歩む。