バイサイドアナリストからファンドマネージャーに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

バイサイドアナリストは、主にアセットマネジメント会社などでファンド運用の意思決定を支える調査・分析を担います。一方で、ファンドマネージャーはその意思決定の主体となり、ポートフォリオの構築・リバランスを通じて運用パフォーマンスを最大化する役割を担います。バイサイドアナリストからファンドマネージャーへの転身は自然なキャリアパスでありながら、定量的な実績と戦略思考、さらには運用哲学の明確化が求められます。本記事では、バイサイドアナリストからファンドマネージャーに転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。

1. ファンドマネージャーが評価するバイサイドアナリストのスキル

  • 財務モデル構築、DCF・バリュエーション分析の精度
  • 担当セクターに関する深い知見と調査力
  • マクロ・ミクロを踏まえた投資アイデアの提案経験
  • 運用会議における論理的な意思表明力
  • 自らの投資哲学やリスク許容度に関する自覚

特に、調査だけでなく「意思決定支援のプロセス」にどれだけ深く関わってきたかが鍵となります。

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2. 転職ステップ

STEP1:分析スキル+運用判断への関与経験を整理

自らの調査分析が、どのようにファンド運用の投資判断に寄与したのか、具体的な事例を整理しましょう。

STEP2:運用スタイルと哲学を明文化

グロース志向かバリュー志向か、あるいは定量と定性の重視バランスなど、自身のスタンスを明確にしておくと説得力が増します。

STEP3:ファンド運用全体に対する理解を深める

アナリストとしての分析に留まらず、ポートフォリオ構築・リスク管理・資金フローなど全体像の理解を補完しましょう。

3. 志望動機(例)

バイサイドアナリストとして約8年間、製造業・エネルギー・テクノロジーなど幅広いセクターを担当し、企業価値評価や業界比較、投資アイデアの起案を通じてファンドの運用判断に貢献してまいりました。特に近年は、マクロトレンドとの整合性を意識したセクター配分提案や、中小型株のボトムアップ分析を通じたアルファ創出に注力してきました。

今後は、投資判断の主体者としてより責任ある立場でポートフォリオ運用に携わりたいと考えており、これまでの分析力に加えて、自身の運用スタイルと哲学をもって、中長期で投資家の期待に応えるファンド運用を目指してまいります。

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4. 職務経歴書(例)

氏名:山田 翔太
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:一橋大学 経済学部 卒業(2012年)

職務要約

国内系アセットマネジメント会社にてバイサイドアナリストとして約8年、製造業、素材、IT、エネルギー等のセクター調査を担当。DCF・バリュエーション分析を軸に、運用会議における投資提案を多数実施。特にESG要素を含む投資提案では多数の採用実績あり。今後はファンドマネージャーとして主体的に運用責任を担いたいと考えている。

職務経歴

株式会社○○アセットマネジメント/2016年4月~2024年3月
所属:株式運用部/リサーチグループ

  • 担当セクター:製造業、エネルギー、素材、IT(日本株)
  • 投資提案:年間30本以上の企業調査レポートと投資推奨案を提出。うち採用率60%以上。
  • 定性分析:経営者インタビューや現地訪問を通じた非財務情報の取得と比較分析
  • リスク管理:ボラティリティ分析、セクター間相関の観点からの運用提案

スキル・資格

  • DCF分析/財務モデリング/企業価値評価/投資戦略立案
  • CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)/TOEIC 910
  • Excel VBA/Bloomberg/FactSet/英語(ビジネスレベル)

“支える立場”から“運用を担う立場”へ。データと哲学で、投資家の期待を超える運用を。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)