ITコンサルタントは、企業の業務課題に対してITを活用した最適なソリューションを提案し、プロジェクトを推進していく役割を担います。一方、クラウドエンジニアは、クラウド環境の設計・構築・運用・最適化を担当するエンジニア職であり、近年では企業のDX化の加速に伴い、需要が急増しています。ITコンサルタントの業務経験は、クラウドエンジニアとして活躍するための素地となるため、キャリアチェンジも十分に実現可能です。本記事では、ITコンサルタントからクラウドエンジニアに転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. クラウドエンジニアが評価するITコンサル出身者のスキル
- システム導入・要件定義・業務設計などの上流工程の経験
- 顧客の業務理解と論理的な課題整理スキル
- プロジェクトマネジメント・ベンダーコントロール経験
- クラウド活用を見据えたITアーキテクチャの知識
- プレゼンテーション・コミュニケーション能力
ITコンサル時代にクラウド移行やクラウド基盤の導入支援に関わった経験がある場合は、特に親和性が高く評価されます。
2. 転職ステップ
STEP1:クラウド実務との接点を洗い出す
ITコンサルとして関わった案件の中で、クラウド基盤構築、クラウドシフト支援、ベンダー選定や技術検証など、クラウド領域に関わる業務を棚卸ししましょう。
STEP2:クラウド技術の基礎を体系的に学ぶ
AWS、Azure、GCPといった主要クラウドサービスの構造や、インフラ設計、セキュリティ、IaC(Infrastructure as Code)などを学び、資格(例:AWS SAA)取得も検討しましょう。
STEP3:技術者としてのキャリア志向を明確に
「提案だけでなく自ら手を動かし構築したい」「プロダクトにより深く関わりたい」など、技術職への意欲や姿勢を明文化しましょう。
3. 志望動機(例)
ITコンサルタントとして業務システムの刷新や基幹システムのクラウド移行支援などに携わってきましたが、提案やマネジメントにとどまらず、自ら設計・構築に関わり、より深く技術に触れるキャリアを志向するようになりました。
中でもクラウド技術は、今後のIT基盤の中核を担うものであり、貴社のようにクラウドネイティブな環境で業務に携わることで、自身のスキルを高め、顧客企業のインフラ最適化に貢献していきたいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐藤 翔太
生年:1992年生まれ(32歳)
学歴:東京理科大学 工学部 情報工学科 卒業(2015年)
職務要約
ITコンサルティングファームにて、業務システムの刷新、ERP導入、クラウドシフト支援プロジェクトに従事。上流工程中心だが、一部要件定義からベンダー選定、構築方針策定までを担当。今後は、クラウドエンジニアとしてインフラ構築・最適化に自ら関わるキャリアにシフトしたいと考えている。
職務経歴
株式会社○○コンサルティング/2015年4月~2024年3月
所属:テクノロジー戦略部
- 大手製造業向けERP刷新:現行業務ヒアリング、要件定義、クラウド(Azure)基盤提案、ベンダー選定支援
- 中堅金融機関向けインフラ刷新:AWSベースの基幹システム移行。アーキテクチャ策定支援、運用設計
- PoCプロジェクト:クラウド移行の影響調査、セキュリティポリシー検証、IaaSとPaaSの比較検討
スキル・資格
- 要件定義/クラウド提案/インフラアーキテクチャ/セキュリティ設計
- AWS認定SAA(取得)/Azure Fundamentals/基本情報技術者
- 英語(TOEIC 800)/PowerPoint・Visio・Terraform入門
“提案する立場”から“創る立場”へ。次のステージは、クラウド技術で価値を届ける。