保険代理店営業では、個人顧客に対してライフプランに応じた保険提案や資産形成支援を行います。こうした顧客との信頼関係構築力やニーズ把握力は、富裕層向けに資産管理サービスを提供するプライベートバンキング(PB)業務でも非常に重要です。PBでは、金融商品全般に対する知見、税・不動産・相続といった幅広い専門知識、そして中長期的なリレーション構築力が求められます。本記事では、保険代理店営業からPB業務へのキャリアチェンジを実現するためのステップを解説し、志望動機と職務経歴書のサンプルも紹介します。
1. PBが評価する保険営業経験者のスキル
- 高額契約を通じた富裕層対応経験
- 顧客のライフステージを踏まえた長期提案力
- 金融リテラシーのある顧客との折衝経験
- リスクマネジメント・税務意識を反映した提案力
- 法人向け保険や事業承継提案の経験
保険営業の中でも特に富裕層や経営者との関係構築を重視していた場合は、PB業務との親和性が高く、評価されやすいです。
2. 転職ステップ
STEP1:富裕層顧客へのアプローチ経験を可視化
提案対象、案件金額、契約件数、リピート率などのデータを用い、どれだけの信頼関係構築と提案実績があるかを具体的に示しましょう。
STEP2:PBにおける役割の理解とキャリア動機を明確化
PBは単なる金融商品の提案ではなく、人生・事業・資産承継を含めた包括的なアドバイザーであることを理解した上で、その役割に対する共感や挑戦意欲を明文化しましょう。
STEP3:金融商品知識・資格を補完
証券外務員資格、FP1級・2級、プライベートバンカー資格(日本証券アナリスト協会)などを取得しておくと、PB業務への意欲と適性を裏付けられます。
3. 志望動機(例)
保険代理店の営業担当として、富裕層のお客様に対する生命保険・資産形成商品の提案に携わってまいりました。ご家族の将来設計や事業承継、相続といった多面的な課題に向き合う中で、より包括的なアドバイスができる専門性の高いPB業務に魅力を感じ、転職を志望いたしました。
貴行のPB部門が持つトータルソリューション体制と、お客様一人ひとりに長期的な信頼を築いていく姿勢に共感しております。私の提案力とリレーション構築力を活かし、資産運用・承継まで一貫して伴走するパートナーとして貢献したいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 直哉
生年:1991年生まれ(33歳)
学歴:明治大学 商学部 卒業(2014年)
職務要約
保険代理店にて富裕層向け営業を約10年間担当。ライフプラン設計から事業承継・相続対策に至るまで、資産背景に応じた提案で長期リレーションを築く。年間数千万円規模の大型契約を複数実現し、信頼を得て追加契約に繋げた実績あり。今後はPB業務として、より包括的な資産コンサルティングに挑戦したいと考えている。
職務経歴
株式会社○○保険パートナーズ/2014年4月~2024年3月
所属:法人・富裕層営業部
- 個人富裕層向け提案:年間1,000万円超の生命保険契約を毎年5件以上成約。信託商品との組み合わせ提案も実施。
- 法人オーナー向け事業承継支援:退職金準備・自社株対策を含めた資産設計を提案。税理士・弁護士と連携。
- 紹介経由契約率の向上:既存顧客からの紹介率40%以上を維持。クロスセル率も向上。
- 若手営業育成:OJTリーダーとして新入社員3名の育成を担当。
スキル・資格
- ライフプラン提案/法人保険/信託/不動産/相続税の基礎知識
- FP2級/証券外務員一種/宅地建物取引士(学習中)
- プレゼンテーション力/課題把握力/リレーション構築力
“提案する営業”から“生涯に寄り添うパートナー”へ。PBという新たなステージへ、確かな信頼と情熱を携えて。