コンストラクションマネジメント(CM)は、不動産開発や改修プロジェクトにおいて、品質・コスト・納期を最適化しながらプロジェクトを推進する役割です。この経験は、投資家目線で不動産価値の最大化を図るアセットマネジメント(AM)においても非常に有効です。本記事では、不動産CM出身者がAM業務に転職するためのステップ、志望動機、職務経歴書の例を紹介します。
1. アセットマネジメントが評価するCM出身者のスキル
- 建築・設備に関する専門知識と改修提案力
- プロジェクト推進・関係者調整のマネジメント力
- CAPEX・OPEXの適切なコントロール能力
- バリューアップ視点での修繕計画立案経験
- リーシングや運営への実務的理解
特にリノベーション、エネルギー効率化、大規模修繕等の提案・実行経験は、バリューアップ型のAMファームで高く評価されます。
2. 転職ステップ
STEP1:CM業務の成果を「価値向上」の視点で整理
「コスト削減」「資産価値向上」「利回り改善」に寄与した実績を数字で整理。建築的成果だけでなく、投資効果を意識した成果の言語化が重要です。
STEP2:AMへの志望理由を構造化
「施設管理にとどまらず、資産全体の運用を担いたい」「投資家目線での意思決定に関わりたい」などの視点で組み立てます。
STEP3:AMの基礎知識を補完
DCF法、キャッシュフロー、PM/BM、リーシング戦略など、AM業務に求められる知識は最低限補完しておきましょう。
3. 志望動機(例)
不動産コンストラクションマネジメントとして、オフィスビルや商業施設、物流施設などの改修・新築プロジェクトに多数従事してまいりました。バリューアップやコスト削減に貢献する中で、より上流の資産運用判断に携わりたいという想いが強まり、アセットマネジメントへの転職を志望いたしました。
貴社が手がける多様なアセットタイプと、ハンズオン型での運用体制に魅力を感じております。これまでの技術的知見と現場推進力を活かし、資産価値の最大化に貢献していきたいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:石田 拓海
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業(2012年)
職務要約
大手不動産会社にて、開発・改修プロジェクトのCM業務を10年以上担当。設計会社・施工会社との調整から工事進捗管理、CAPEXコントロール、リニューアル戦略立案まで幅広く担当。今後はAM領域で、技術的知見を資産価値向上に活かすキャリアを目指している。
職務経歴
株式会社○○リアルティ/2012年4月~2024年3月
所属:プロジェクト推進部 → コンストラクションマネジメント部
- 大規模修繕工事(オフィスビル):計画立案~完工までを一貫管理。原状回復費用20%削減に成功。
- 商業施設リニューアル:テナントニーズを踏まえたレイアウト再構築により稼働率95%以上を実現。
- 物流施設の新築支援:設計VE提案により建設コスト5億円削減。
- ESG対応工事:ZEB・LED化による環境認証取得支援。
スキル・資格
- 建築・設備知識/工事監理/CAPEX管理/バリューアップ提案
- AutoCAD/Excel/PowerPoint/プロジェクトマネジメント
- 一級建築士/宅地建物取引士/不動産証券化マスター
“現場を知る技術者”から、“投資家目線の運用者”へ。不動産の真価を引き出すキャリアステップが、ここから始まります。