人事と総務は企業の管理部門として密接に関連していますが、それぞれの役割や業務領域には違いがあります。人事経験者が総務職へ転職する場合、人事で培った社内調整力や制度運用の経験を活かしつつ、より幅広い業務対応力が求められます。本記事では、人事から総務へのキャリアチェンジを成功させるためのステップと、実際の志望動機・職務経歴書のサンプルを紹介します。
1. 人事と総務の共通点と違い
- 共通点:社内制度運用、社員対応、社内調整業務、外部機関とのやり取り
- 相違点:人事は採用・評価・労務に特化、総務は庶務・設備・契約管理・法務・安全衛生など広範な領域を担当
人事は「人」に関する制度や対応が中心、総務は「人・物・情報・制度」に広く関わる仕事です。人事の業務経験は総務でも大いに役立ちます。
2. 活かせるスキルと経験
- 社内調整力・コミュニケーションスキル
- 規程・制度整備の経験
- 社内イベントや研修運営などのプロジェクト推進力
- 契約書や規程文書のチェック・運用経験
- 労務・安全衛生に関する基礎知識
3. 転職準備のステップ
- 総務業務の全体像を理解する:ファシリティ、文書管理、法務、株主対応、BCPなど
- 人事業務のなかで総務に通じる経験を整理:社内イベント運営、規程管理、労基署対応など
- 資格取得や知識の補完を検討:ビジネス実務法務検定、衛生管理者など
- マルチタスク対応力・柔軟性をアピール:変化の多い管理業務に対応できる姿勢を示す
- 志望動機を「組織全体の下支え」軸で整理:人と組織の土台を支える役割への意義を明確に
4. 面接で問われるポイント
- なぜ人事から総務へ?
- 業務領域の広さへの対応力
- 複数業務の優先順位管理・調整経験
- 法務・契約管理などの基礎知識
- 社内ルール・制度運用に対する意識
5. 志望動機(サンプル)
これまで人事部門にて、新卒・中途採用、労務管理、制度設計などに従事してまいりました。各部門との連携や社内イベントの企画・運営を通じて、社員の働く環境や組織全体の円滑な運営に関わることにやりがいを感じておりました。今後はより広い視点から会社運営を支える総務業務に携わり、規程整備やファシリティ管理、文書対応など、多面的に企業の基盤づくりに貢献したいと考えております。これまでの人事での実務経験と社内調整力を活かし、柔軟かつ誠実に業務に取り組んでまいります。
6. 職務経歴書(サンプル)
氏名:小川 真理
生年月日:1992年7月14日
最終学歴:法政大学 キャリアデザイン学部 卒業
職務経歴:
2016年4月 ~ 現在:株式会社◯◯ 人事部
- 新卒・中途採用の企画・実行(年間50名規模)
- 就業規則・人事制度改定、衛生委員会運営
- 人事システム(給与・勤怠)の導入支援
- 社内イベント企画(入社式、表彰式、研修運営)
- 労務対応(労基署対応、ハラスメント相談対応)
保有資格・スキル:
・第二種衛生管理者
・ビジネス実務法務検定2級
・Excel、Word、PowerPoint(社内外文書作成・運営資料)
・調整力・課題対応力・ホスピタリティ意識
7. まとめ
人事経験者が総務へキャリアチェンジすることで、より広範な業務に携わり、会社全体の運営基盤づくりに貢献することができます。人と組織を支える“縁の下の力持ち”として、信頼される総務担当者を目指して新たなステップを踏み出してみてください。