DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の経験は、デジタルを活用した新規事業開発の現場において、極めて重要な基盤となります。業務改善やIT導入に留まらず、既存の価値観を打破し、ビジネスモデルそのものを再構築してきた経験は、企業の成長を担う新規事業領域でも活かされます。本記事では、DX推進からデジタル新規事業開発への転職を成功させるためのステップと、志望動機・職務経歴書のサンプルをご紹介します。
1. DX推進と新規事業開発の共通点と違い
- 共通点:変革マインド、課題設定と仮説検証、テクノロジー活用、部門横断的なプロジェクト推進
- 相違点:DXは既存事業の効率化・変革、新規事業は市場創出やプロダクト立ち上げが主軸
DX推進の知見を持つ人材は、構想からPoC、グロースまで新規事業開発のあらゆるフェーズで貢献できます。
2. 活かせるスキルと経験
- 業務プロセス改革、BPR(業務可視化〜改善)
- クラウド・SaaS導入経験、ベンダーコントロール
- アジャイル/スクラム型のPJマネジメント
- ユーザー視点に立った要件定義・UI改善
- KPI設計とデータドリブンな施策運用
3. 転職準備のステップ
- 新規事業領域の理解:市場調査、ビジネスモデルキャンバス、プロダクト思考などを学ぶ
- DX経験の言語化:「何を変えたか」「どう成果に結びつけたか」を具体的に
- プロダクト志向の補強:デザイン思考、PMF、グロース戦略の基本理解
- 職務経歴書の構成見直し:変革・創造のエピソードを先に置く
- スタートアップや事業会社の動向をウォッチ:各社の新規事業戦略や投資領域の研究
4. 面接で問われるポイント
- なぜDXから新規事業に挑戦したいのか?
- アイデアをビジネスに落とし込んだ経験は?
- 失敗から何を学び、どのように改善したか?
- ゼロイチの事業構築に必要な視点は?
- 新規事業とDXの本質的な違いをどう捉えているか?
5. 志望動機(サンプル)
これまで大手メーカーにてDX推進の立場から、業務プロセス改革やクラウド導入、データ活用基盤の構築などに従事してまいりました。既存業務の高度化に取り組む中で、テクノロジーを活用して新たな価値を生み出す「事業そのものを創る」ことに挑戦したいという思いが強まり、新規事業開発に携わることを志望するようになりました。貴社はユーザー起点でのプロダクトづくりと、テクノロジー戦略の両立を重視しており、私のDX知見とプロジェクト推進力を活かして、貴社の新規事業に貢献できると考え志望いたしました。
6. 職務経歴書(サンプル)
氏名:高橋 悠斗
生年月日:1989年6月12日
最終学歴:東京理科大学 工学部 卒業
職務経歴:
2013年4月 ~ 現在:株式会社◯◯ DX推進部 主任
- 基幹システム刷新プロジェクト(SAP→クラウドERP)を全社PMとして統括
- RPA・データ可視化ダッシュボード導入による業務時間30%削減
- デジタル活用に関する社内研修の企画・講師(延べ500名以上参加)
- ユーザー部門との伴走によるUI/UX改善(従業員満足度調査で高評価)
保有資格・スキル:
・PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)
・AWS Certified Cloud Practitioner
・デザイン思考ワークショップファシリテーション
・Notion、Figma、Tableau等の業務使用経験
7. まとめ
DX推進で培った構想力・実行力・変革力は、デジタル新規事業の立ち上げにおいて極めて重要な武器になります。「守りから攻め」へと軸足を移し、自らの手で価値あるプロダクトを創りたい方にとって、絶好のチャレンジ機会です。自身の経験と志向を整理し、自信を持って次のステージへと踏み出してください。