メーカーにおける事業管理業務は、収益管理、事業計画、原価分析、KPIモニタリングなどを通じて、経営と現場をつなぐ重要な役割を担っています。この経験は、コンサルタントとして企業の課題解決や業務改革に貢献するうえで非常に有効です。本記事では、メーカーの事業管理出身者がコンサルタントに転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. コンサルファームが評価するスキル
- 事業数値管理(PL/BS/CF)と経営指標の理解
- 中期経営計画・年度計画の策定経験
- 業績改善やコスト構造改革の実行力
- 現場と経営層をつなぐ調整・推進力
- Excel・BIツールを用いた定量分析スキル
戦略ファームでは事業戦略・成長支援、総合ファームでは業務改革・PMO、FASでは事業DDや再生支援領域で高く評価されます。
2. 転職ステップ
STEP1:成果を数値で整理
売上成長率、利益改善額、予実精度の向上率など、定量的な成果を「背景→施策→成果」の形式で整理しましょう。
STEP2:志望動機の言語化
「社内支援だけでなく外部の多様なクライアントに貢献したい」「事業改善だけでなく戦略や業務変革も支援したい」などの目的を明確にします。
STEP3:コンサルスキルの準備
ロジカルシンキングやケース面接対策、仮説思考を意識した問題整理能力の強化が重要です。
3. 志望動機(例)
メーカーにて、事業管理部門での収益分析、予算策定、事業戦略立案支援などを担当してまいりました。経営と現場をつなぐ役割の中で、数値分析から課題抽出、改善策の実行までを一貫して担ってきました。今後はより広い業界・テーマに関わり、クライアントの経営課題を解決する支援者として成長したいと考え、コンサルタントへの転職を志しました。
貴社の実行支援に強みを持つスタイルと、製造業を含む多様な業界への深い知見に魅力を感じており、私の事業管理の経験を活かしながら、実効性の高い支援を提供したいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐藤 翔太
生年:1990年生まれ(34歳)
学歴:大阪大学 経済学部 卒業(2013年)
職務要約
日系大手メーカーにて事業管理業務に約10年従事。全社PL・事業別予算策定、収益性分析、KPI管理などを担当。経営企画との連携や部門横断の課題解決も多数経験。今後はコンサルタントとして、複数業界の経営改善・構造改革に貢献したい。
職務経歴
株式会社○○製作所/2013年4月~2024年3月
所属:事業統括本部 経営管理部
- 全社予算策定:約200億円規模の事業の予算策定と進捗管理を担当。
- 収益改善支援:部門別損益分析からの改善提案により、利益率2.5pt改善を実現。
- KPI設計・導入:営業部門向けKPI体系を再構築。現場浸透支援まで実行。
- 業務改善:月次報告プロセスをBIツール活用により自動化。作業時間40%削減。
スキル・資格
- 事業管理/収益分析/KPI設計/業務改善
- Excel/PowerPoint/Tableau/SAP
- 簿記2級/TOEIC 850
現場と経営をつなぐ力を、次は企業変革の支援に。事業管理で培った視座と分析力は、必ずコンサルの現場で活かされます。