研究職からコンサルタントに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

研究職では、仮説構築、データ分析、実験設計、論文執筆など、問題を深く掘り下げて解を導くスキルが求められます。これらはまさにコンサルティングにおける基礎能力であり、特に戦略立案や調査分析を強みとするファームで高く評価されます。本記事では、研究職からコンサルタントへ転職するためのステップ、準備すべきポイント、志望動機・職務経歴書の例を紹介します。

1. コンサルファームが求める研究職出身者の強み

  • 構造的な問題解決アプローチ(仮説→検証→改善)
  • 論文・レポートを通じた論理的なアウトプット能力
  • 大量データを扱った分析経験と再現性のある検証力
  • 未知の領域でも学習しながらキャッチアップする力
  • 定量的思考・モデル構築力(理系なら特に)

ただし、企業のビジネス文脈における「スピード感」や「クライアント志向」は、意識的に補う必要があります。

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2. 転職ステップ

STEP1:研究実績の棚卸しとビジネス翻訳

研究テーマや論文実績を、ビジネスパーソンにもわかる言葉で説明できるようにしましょう。「何の課題にどう取り組み、どう成果を出したか」を中心に整理します。

STEP2:キャリアの転換理由と言語化

「なぜ研究ではなく、コンサルタントとして働きたいのか」。研究の枠を越えて、社会への直接的な価値提供をしたいという想いなど、ストーリーとして一貫性のある理由を言語化します。

STEP3:職務経歴書・志望動機の作成

論文・学会発表も経歴の一部ですが、業務内容をファームが求めるスキルに置き換えて説明しましょう。例:「数理モデリング → 論理構築力」「学会発表 → プレゼン能力」など。

STEP4:ケース面接の準備

論理思考力は既に備わっている可能性が高いですが、ビジネスの“常識”や利益構造、業界知識に触れておくと、面接での説得力が増します。

STEP5:OB訪問・ファーム選定

研究職出身者が多いファーム(例:分析特化型、戦略系、公共政策系)や、自身の専門を活かせる領域を持つファームを重点的に調べましょう。

3. 志望動機(例)

大学院で○○の研究に取り組み、実験設計やデータ分析、学術的な論文発表などを経験してまいりました。複雑なテーマを分解し、筋道を立てて結論に導くプロセスにやりがいを感じてきましたが、今後はより社会に近い立場で課題解決に携わりたいという想いが強くなり、コンサルティング業界を志望いたしました。

貴社が展開する構想から実行までの一貫支援スタイルに共感しており、私の分析力と課題設定力を活かして、企業の変革や社会課題の解決に貢献したいと考えております。

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4. 職務経歴書(例)

氏名:佐藤 陽介
生年:1991年生まれ(33歳)
学歴:東京大学大学院 工学系研究科 修了(2016年)

職務要約

国立研究機関にて5年間、環境エネルギーに関するシミュレーション研究に従事。プロジェクトリーダーとして研究設計、予算管理、外部研究者との連携を担う。論理的な構造思考・分析力・レポート作成力に強み。今後はコンサルタントとして、専門性を超えて社会・企業に変革をもたらすことを志向。

職務経歴

国立環境研究所/2016年4月~2021年3月
部門:エネルギー技術研究センター

  • 研究設計:CO2排出削減効果を評価する数理モデルを設計・開発・検証。政策提言に活用。
  • 分析業務:エネルギーデータ(気温・地域特性・産業構造)を用いた統計解析・レポーティング。
  • 学会発表・論文:国際学会2件、査読付き論文4本を執筆。研究成果は行政へのフィードバックにも活用。
  • プロジェクト管理:研究助成金の獲得・進捗管理・報告書作成業務を一貫して担当。

スキル・資格

  • 構造化思考/定量分析/仮説検証型アプローチ
  • Python/R/Excel/Tableau/LaTeX
  • TOEIC 875(英語論文・学会発表経験あり)

研究職で培った論理性と構造思考は、コンサルティングの現場でも強力な武器になります。ぜひ、自らの知見と分析力を、変革を生むアウトプットへと転換していってください。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)