医療財団法人における業務では、医療現場に即した制度設計、財務運営、業務プロセス改善、地域連携や政策対応など多岐にわたるタスクが求められます。これらの経験は、医療・ヘルスケア領域を中心に活躍するコンサルティングファームにおいても非常に重要な資産となります。特に、業務改善やデジタル化、ガバナンス強化などのテーマは、医療機関を支援するファームでニーズが高く、実務経験をもとにした提案力が期待されます。本記事では、医療財団法人からコンサルタントへの転職ステップを、志望動機と職務経歴書の例を交えてご紹介します。
1. コンサルファームが求める人材像
- 医療機関・法人運営における現場理解と課題解決力
- 医療制度や診療報酬体系、医療法に対する基本的知見
- 部門間調整や地域医療機関との連携推進経験
- 経営企画・財務管理・組織改革などの実務経験
- 行政対応・政策動向へのキャッチアップ力
また、病院経営の現場で培った「現実に即した提案力」や「医療従事者との協働経験」は、医療コンサルティング分野における差別化要素となります。
2. 転職ステップ
STEP1:実績の可視化と整理
取り組んだ業務やプロジェクトを「課題→施策→成果」のフレームで整理し、できる限り定量化(例:収支改善3億円/稼働率改善20%など)します。プロセス改善や病床再編、ICT導入などの経験は特に強みとなります。
STEP2:キャリア志向の明確化
「なぜコンサルタントを志すのか」「なぜ今なのか」「どのような価値提供ができるのか」を明確にします。「特定法人での改善から、業界全体の変革支援へ」などの視座転換が鍵です。
STEP3:職務経歴書・志望動機の構築
業務内容や成果だけでなく、「自身の役割」「意思決定のプロセス」「再現性あるノウハウ」などを整理して記載しましょう。職種における専門性とマネジメントスキルのバランスが伝わる構成が有効です。
STEP4:医療業界知見を活かしたケース対策
医療費削減、病院統廃合、人員配置最適化などをテーマとしたケースが出題される可能性があります。医療制度の構造とファーム視点での思考を両立させる訓練を行いましょう。
STEP5:業界理解とネットワーキング
医療・ヘルスケア特化のファームや部門(例:PwCヘルスケア、BCGヘルスケア、KPMG FASなど)に関する情報収集や、出身者との接点構築を進めることで、より具体的な志望理由が見えてきます。
3. 志望動機(例)
医療財団法人において、診療報酬改定対応、業務プロセス改善、地域医療連携の推進などを経験してきました。これらの業務を通じ、個別法人での取り組みにとどまらず、医療制度や業界全体の構造的な課題に取り組みたいという想いが強くなりました。
貴社がヘルスケア領域で培ってきた知見と、構想から実行までを支援するスタンスに共感しており、私の実務経験をもとに、現場と制度のギャップを埋める支援を行いたいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:井上 裕子
生年:1987年生まれ(37歳)
学歴:京都大学 医学部 医療経営・政策コース 卒業(2010年)
職務要約
公益財団法人の経営企画室にて、診療報酬制度対応、収支改善、地域連携強化、医療IT導入などの企画・実行を担当。医療法人の経営と現場の両視点を踏まえた改善提案を得意とし、今後はコンサルタントとして制度・構造改革の伴走支援を目指している。
職務経歴
公益財団法人〇〇医療センター/2010年4月~現在
部門:経営企画室(企画課 課長代理)
- 診療報酬改定対応:施設基準の見直しと加算管理強化により年間2.4億円の収益改善。
- 業務プロセス改善:外来受付業務の電子化と役割再定義により、受付待ち時間を40%削減。
- 地域医療連携:地域中核病院とのデータ連携プロジェクトを推進、紹介率20%向上を達成。
- 医療IT導入:ベンダー選定からRFP策定、導入後の業務設計まで一貫してリード。
スキル・資格
- 医療経営戦略/診療報酬制度/地域医療連携
- プロセス改善/業務設計/医療ICT導入
- 定量分析(Excel、Power BI)/ファシリテーション
- TOEIC 825(国際学会対応経験あり)
医療法人の現場で得たリアルな知見と課題感は、変革支援を行うコンサルタントにとって大きな資産になります。制度と実態の間にあるギャップを埋める支援を目指し、新たな挑戦に踏み出してください。