ITコンサルからベンチャーファームに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

安定したキャリアと豊富な案件に恵まれたITコンサル業界から、スピード感と裁量を求めてベンチャーコンサルファームにキャリアチェンジする動きが近年注目されています。

「より経営に近い位置で意思決定に関わりたい」「領域を絞らず、多様なプロジェクトに挑戦したい」「自分の“価値”で勝負したい」——そうした想いを抱いたITコンサル出身者にとって、ベンチャーコンサルファームは次の成長の舞台として魅力的な選択肢です。

本記事では、ITコンサルからベンチャーファームへ転職するための考え方、必要な準備、志望動機と職務経歴書の具体例を紹介します。


1. なぜ今、ベンチャーコンサルファームが注目されているのか?

コンサル業界において、スタートアップや独立系のベンチャーファームが存在感を高めています。その背景には以下のような要因があります。

  • クライアントの多様化: 大手企業だけでなく、成長企業・スタートアップの支援ニーズが拡大
  • 支援領域の拡張: 戦略策定から実行支援、デジタル導入、人材開発、資金調達支援まで領域が広い
  • 働き方の柔軟性: 副業・リモート・フレックスなど、柔軟な制度を整備するファームも多数
  • 意思決定の速さ: 組織がフラットで、若手でも事業立ち上げや企画に関われる環境

こうした環境に魅力を感じ、ITコンサルから転職する人材が増えてきています。


2. ITコンサル出身者がベンチャーコンサルで求められる理由

ITコンサルでの経験は、ベンチャーコンサルティングでも高く評価されます。特に以下のスキルやマインドは重宝されます。

  • 構造化・論点整理力: 問題を分解し、筋道立てて整理できる力
  • PMO・実行支援経験: 現場を巻き込み、推進するスキル
  • 業務改善・IT導入経験: 実行力・現場視点を持つ「地に足のついた提案」が可能
  • デジタルリテラシー: クラウド、SaaS、BI、データ活用といった先端領域への理解
  • クライアントワークの基礎力: 報連相、提案資料作成、上司・顧客との関係構築

ベンチャーコンサルは「少数精鋭」かつ「個人の裁量が大きい」ため、ITコンサルで自走した経験がある人ほど、即戦力として歓迎されます。


転職のご相談(無料)はこちら>

3. 大手ファームとベンチャーファームの違い

比較項目大手ファームベンチャーファーム
案件規模大手企業・長期プロジェクトが中心中堅・ベンチャー向けの短中期案件が多い
役割分業型、専門領域で活躍戦略~実行まで一気通貫で担当
裁量階層が明確、上長の指示で動く若手でも提案・営業・採用に関われる
成長環境研修制度が充実実践重視、自己主導で学ぶスタイル

「安定」より「スピードと挑戦」を求める人にとって、ベンチャーファームは最適な環境です。


4. 転職成功のためのステップ

Step 1:転職理由とキャリアビジョンの整理

「なぜITコンサルを辞めるのか?」「なぜベンチャーコンサルに?」という点を一貫したストーリーにまとめましょう。

Step 2:経験の棚卸し

担当フェーズ(要件定義、PMO、業務設計など)、役割(チームリード、資料作成、顧客折衝など)を具体的に言語化します。

Step 3:応募ファームのリサーチ

ベンチャーファームごとに特色が異なります(例:戦略特化型、HR領域に強い、DX実行支援など)。自分の経験がどう活きるかを把握しましょう。

Step 4:選考対策

ケース面接やプレゼン課題が出されることも。仮説構築・論理展開・資料化スキルの準備をしておきましょう。


5. 志望動機(例文)

私はこれまでITコンサルタントとして、業務改革やシステム導入プロジェクトに従事し、要件定義、PMO、クライアントとの折衝などを経験してきました。

業務とITの両面から課題解決に取り組む中で、「もっと経営に近いフェーズで価値提供したい」「変化の大きい環境で、自分の意思で仕事を進めたい」と考えるようになり、ベンチャーコンサルファームへの転職を志望しました。

貴社が掲げる“戦略と実行の融合”というスタンスに強く共感しており、私の実行力と構造化力を活かし、クライアントに深く入り込む支援ができると確信しております。

転職のご相談(無料)はこちら>

6. 職務経歴書(例文)

【職務要約】
大手ITコンサルファームにて約5年間、流通・製造業を中心とした業務改革・システム導入・PMO業務に従事。現場ヒアリングから業務要件定義、課題整理、進捗管理まで幅広く担当。今後は戦略~実行を一気通貫で担えるポジションを志向し、ベンチャーファームへの転職を希望。

【職務経歴】
■勤務先:株式会社○○コンサルティング(従業員2,000名)  
■在籍期間:2018年4月~現在  
■職種:ITコンサルタント → シニアコンサルタント

【主なプロジェクト】
● 流通業向け基幹システム刷新PJ(2021年~2022年)  
- As-Is業務整理、To-Be業務設計、要件定義を担当  
- 調達・販売・在庫領域のFit&Gap分析を実施し、運用課題を明確化  
- PMOとしてベンダー調整・課題管理・報告資料作成をリード  

● 製造業向け業務改善プロジェクト(2020年)  
- 現場ヒアリングに基づく業務プロセス可視化とKPI設計  
- ワークショップを通じた部門間調整、改善施策の提案

【スキル】
- 業務設計・要件定義・業務改善提案・PMO支援  
- PowerPoint(論点整理・報告資料)、Excel(関数・データ加工)  
- SAP基礎知識(MM/SD)、Teams・JIRA等でのチーム連携  

【資格】
- 日商簿記2級(コスト構造の理解)  
- TOEIC 825(英語資料の読解・会議出席レベル)  
- PMP受験予定(プロジェクト管理スキルの体系化を目指す)

【自己PR】
現場目線と構造化力を活かして、課題を特定・整理し、実行支援まで落とし込む力を培ってきました。今後は、戦略の立案から変革実行までを一貫して担えるポジションで、より本質的な課題解決に挑戦していきたいと考えています。

7. 面接で問われやすい質問とその対策

  • なぜ安定したITコンサルからベンチャーへ?
    →「より主体的に、スピード感のある環境で成長したい」という意志を明確に伝える。
  • 自走力はあるか?
    →「誰に言われずとも、課題を見つけて動いたエピソード」で裏付ける。
  • どのような支援をしていきたいか?
    →「中堅企業の業務DX」「事業再構築支援」など、具体的に言語化。
  • 将来的にどんな人材になりたいか?
    →「戦略と現場の橋渡しができる、顧客に信頼されるコンサルタント」と語る。

転職のご相談(無料)はこちら>

8. まとめ:ITコンサルの“地に足のついた経験”は、ベンチャーファームで武器になる

ITコンサル出身者が持つ「構造把握力」「現場実行力」「クライアント対応力」は、ベンチャーファームにおいて即戦力として活かせる資産です。

変化を恐れず、組織や事業を自ら動かしていく立場に挑戦したいなら、ベンチャーコンサルはまさに最前線。自分の“考え”と“行動”でクライアントを動かすキャリアを、ぜひこの機会に手にしてください。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)