生命保険会社からコンサルティングファームに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

近年、生命保険会社で培った専門性や業務経験を活かして、コンサルティングファームへ転職を志す人が増えています。保険業界での知識や事業会社での実行経験は、金融業界向けの支援やBPR(業務改革)、DX推進、人事・ガバナンス領域などにおいてコンサルファームでも活かすことが可能です。

本記事では、生命保険会社からコンサルティングファームへ転職するための具体的なステップや必要なスキルセット、転職成功のポイントについて解説し、記事の最後には志望動機と職務経歴書の記載例も掲載します。


1. コンサルティングファームにおける生命保険出身者の活躍フィールド

生命保険会社での業務経験は、以下のような領域において高く評価されます。

  • 金融機関向けコンサルティング(FS, FSI):保険会社向けの業務改革・商品開発・IFRS導入・ガバナンス支援など
  • 業務改革(BPR)・DX領域:契約管理プロセス、顧客対応フロー、システム刷新などの改革支援
  • 人事・組織コンサルティング:評価制度構築、人材育成支援、HRテクノロジー導入
  • ESG・サステナビリティ支援:TCFD、ISSB、サステナビリティ開示、保険商品の社会的意義整理

ファーム側は「業界知見」と「実行力」「業務プロセスへの理解」を求めており、保険業界出身者の価値は年々高まっています。


2. 生命保険会社での経験がコンサルで評価される理由

  • 保険業務の理解: 新契約、保全、支払、代理店管理、商品開発など業務全体に通じている
  • リスク感度と法令遵守意識: コンプライアンス、リスクマネジメントの素養
  • 顧客接点の視点: お客様本位の業務運営や顧客接点での実行経験
  • 制度対応経験: 金融庁レギュレーション対応(FSA報告、J-SOX、AML/CFTなど)
  • 事業会社での泥臭い実行経験: 机上の理論に留まらない現場推進力

また、営業企画、商品開発、システム部門、人事部門など多様な職種での経験も、ファームでの専門領域の選択肢を広げます。


転職のご相談(無料)はこちら>

3. 転職成功のためのステップ

Step 1:自分の強みを“再定義”する

「業務知識」「課題対応力」「社内巻き込み力」を、コンサル的文脈で整理します。「どんな課題に対し、どう仮説を立て、誰と連携し、どう実行したか?」を構造化しておきましょう。

Step 2:ファームの特徴を把握する

戦略・総合・IT・人事・FASなど、ファームによって求める素養やプロジェクト内容は異なります。自身の志向とマッチするファームを選定しましょう。

Step 3:ロジカルシンキングのトレーニング

面接では論理的な構成力・思考の明快さが重視されます。ロジックツリー、MECE、ケーススタディなど、基本的なフレームを身につけておくと良いでしょう。

Step 4:志望動機とキャリアビジョンを固める

「なぜ事業会社ではなく、コンサルなのか?」「どのような領域で貢献したいか?」を言語化しておくことが重要です。


4. 志望動機(例文)

私はこれまで生命保険会社にて、新商品開発や営業企画、業務改善プロジェクトに携わり、社内外の関係者と連携しながら、事業運営を支える役割を担ってきました。

その中で、企業の課題に対して俯瞰的かつ構造的にアプローチし、戦略から実行までを一貫して支援するコンサルタントという職業に強く魅力を感じるようになりました。

特に貴社が展開する保険業界向けのDX支援や業務改革プロジェクトには、自分の知見と実行力を活かしつつ、より多くの企業の変革をリードできる環境があると確信し、志望いたしました。

転職のご相談(無料)はこちら>

5. 職務経歴書(記載例)

【職務要約】
大手生命保険会社にて約6年間勤務。新商品開発、販売推進企画、業務改善プロジェクト、システム刷新対応など幅広い業務を経験。顧客起点の業務設計と部門横断型のプロジェクトマネジメントを強みとし、社内外のステークホルダーとの調整力に自信を持つ。

【職務経歴】
■在籍期間:2018年4月 ~ 現在
■会社名:〇〇生命保険株式会社(従業員12,000名)
■所属部門:商品企画部 → 営業推進部 → サステナビリティ推進室

【主な業務実績】
● 新商品(医療特約付き終身保険)の企画・販売支援(2020年)
- 顧客ニーズ調査、競合分析、商品概要設計
- 営業チャネル別マニュアル・FAQ作成、販売実績月次分析

● 営業現場の業務改善プロジェクト(2021年)
- 顧客面談フロー・書類手続きの見直しにより業務工数を25%削減
- DX推進室と連携し電子署名導入の要件整理・社内説明資料作成

● TCFD対応支援(2022年~)
- GHG排出量の基礎データ収集支援、サステナビリティ報告書の作成補助
- 取締役会への非財務KPI報告資料の作成

【スキル・資格】
- プロジェクトマネジメント、業務設計、要件定義、非財務情報開示
- Excel(VLOOKUP, ピボット), PowerPoint(構造的スライド作成)
- 日商簿記2級、ITパスポート、TOEIC 850点

【自己PR】
社内外の多様なステークホルダーと連携しながら、業務の改善・仕組み化・成果創出に取り組んできました。今後はコンサルタントとして、より多様な業界・企業に対して本質的な課題解決を提供し、社会・企業・生活者の価値向上に貢献していきたいと考えています。

6. 面接で問われやすい質問と対策

  • なぜ事業会社ではなく、コンサルに転職したいのですか?
  • 生命保険業務のどの経験が、コンサルで活かせると考えていますか?
  • 今後、どのような領域で成長・貢献していきたいですか?
  • 変化の激しいプロジェクト環境に適応できますか?

経験の棚卸しだけでなく、「転職動機の解像度」と「コンサル的視点」を言語化して伝えられるように準備しましょう。


転職のご相談(無料)はこちら>

7. まとめ:保険業界の経験を“コンサルティングの力”に転換する

生命保険会社での経験は、単なる業界知見にとどまらず、「リスク感度」「組織横断での調整力」「実行フェーズでの粘り強さ」など、コンサルティングファームが重視する資質に直結します。

構想から実行まで、企業の変革に並走するプロフェッショナルとして、今こそ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

あなたの経験と想いは、きっと多くのクライアントの変革を支える力となります。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)