近年、メガベンチャー(例:楽天、サイバーエージェント、メルカリなど)での経験を活かし、日系ITコンサルティングファームへとキャリアチェンジを図る人が増えています。デジタル化が進む企業支援の現場では、テクノロジーの実装やサービス設計の経験を持つメガベンチャー出身者が高く評価されるケースも少なくありません。
本記事では、メガベンチャーから日系ITコンサルへ転職するための具体的なステップ、企業側が求める人材像、必要なスキルや事前準備、さらに志望動機と職務経歴書の例までを詳しく解説します。
日系ITコンサルティングファームとは?
日系ITコンサルティングファームとは、国内資本の企業でありながら、システム導入支援や業務改革支援、DX戦略立案、アーキテクチャ設計などを提供するコンサルティング会社です。代表的な企業には以下のような名前が挙げられます。
- アビームコンサルティング
- ベイカレント・コンサルティング
- クニエ(QUNIE)
- スカイライトコンサルティング
いずれのファームも、グローバルファームに比べて現場密着型で、顧客と長期的に関係を築く点が特徴です。プロジェクトのフェーズは要件定義から実装支援まで幅広く、泥臭さを厭わない実行力が求められる場面もあります。
メガベンチャー出身者が活かせる強み
メガベンチャー出身者は、以下のようなスキル・特性を活かせます:
- 高速PDCA・事業視点の高さ:事業成長を追い求める中で、ビジネス視点の仮説立てと検証が日常的に求められていたはずです。
- 自律性とオーナーシップ:プロダクトやプロジェクトを自らリードする経験がある人は、コンサルタントとしても即戦力です。
- テクノロジーに対する理解:エンジニアやデザイナーと協働してきた経験は、DX案件で大きな武器になります。
転職に必要な準備とスキル
ITコンサルティングへの転職では、以下の準備が重要です:
① コンサルタントの思考プロセスを理解する
ロジカルシンキング、仮説思考、構造化スキル(MECE、ロジックツリーなど)は必須。書籍やフレームワークで基礎を習得しましょう。
② 応募書類の戦略的設計
「実績」ではなく「どう考えて動いたか」「どのような意思決定をしたか」を重視して職務経歴書を構成することが求められます。
③ ケース面接・フェルミ推定の準備
企業によっては、ビジネスケースのディスカッションや簡易的なロジックテストを課す場合があります。市販の問題集や模擬面接で対策を。
選考で評価されるポイント
- 課題に対して仮説を持ち、構造的に分解できる力
- チーム内でのリーダーシップ経験
- エンジニア・事業部門との協働経験(ITコンサル案件で武器になる)
- 泥臭い実行フェーズまで手を動かした経験
特に日系ITコンサルでは、顧客企業との信頼関係構築や現場伴走が重要視されるため、単なる分析よりも「現場感覚を持って自ら動ける人」が求められます。
志望動機(例文)
これまでメガベンチャーにて、サービス企画やプロダクトマネジメントを通じて、事業成長に直結するIT施策に携わってきました。その中で、より多様な業界・企業の課題解決に携わりたいという思いが強まり、貴社を志望いたしました。 特に、貴社が強みとされる「構想から実行まで一気通貫で支援するスタイル」に強く共感しております。私は前職にて新規プロダクトの立ち上げを主導し、要件定義からUI設計、開発ディレクション、マーケ連携まで一貫して携わりました。この経験を活かし、貴社のDX支援案件においても即戦力として貢献できると考えております。
職務経歴書(記載例)
【職務要約】 2020年より株式会社〇〇(メガベンチャー)にて、デジタルサービスの企画開発に従事。プロダクトマネージャーとして、ユーザー要件の抽出から開発ディレクション、KPI設計、グロース施策の立案まで幅広く経験。社内横断プロジェクトやエンジニア・デザイナーとの協業も多数。 【職務詳細】 ■在籍期間:2020年4月~現在 ■企業名:株式会社〇〇(東証プライム上場メガベンチャー) ■職種:プロダクトマネージャー <主なプロジェクト> ●新規サービス開発プロジェクト - 担当領域:要件定義、ワイヤーフレーム作成、UI改善、スクラム開発管理 - 成果:リリース後6ヶ月で月間アクティブユーザーを5万人に拡大、継続率25%改善 ●社内データ基盤構築プロジェクト - 担当領域:部門横断要件取りまとめ、ベンダー管理、開発PMO - 成果:データ分析工数を月100時間削減 【保有スキル】 - 要件定義、プロダクトマネジメント、UI/UX設計、SQL、プロジェクト管理 - Google Analytics, Figma, JIRA, Tableau 【資格】 - ビジネス統計スペシャリスト(2022) - PMP(取得予定) 【自己PR】 泥臭くやりきる実行力と、仮説立てから構造化する思考力を両立しています。特に現場視点での業務整理と、エンジニアとの共通言語による橋渡しが得意です。
まとめ:メガベンチャー出身者はITコンサルで活きる
メガベンチャーでの経験は、スピード感、実行力、テクノロジー理解の3点で、ITコンサルティングファームから高く評価される資産です。一方で、求められるのは「考える力」「構造化する力」。この2点をしっかり補強すれば、あなたのキャリアはさらなる高みへと進んでいくことでしょう。
ぜひ本記事を参考に、戦略的な転職準備を進めてください。