ITコンサルティングファームでの経験は、再生コンサルティングファームへの転職においても非常に有効です。再生局面においては、経営の再建だけでなく、業務の可視化・効率化、ITシステムの最適化が欠かせず、ITコンサルタントが持つ論理性や構造化力は重宝されます。本記事では、ITコンサルから再生コンサルへのキャリアチェンジを成功させるためのステップを解説し、志望動機と職務経歴書の例を掲載します。
1. 再生コンサルティングファームとは?
- 財務再生:資金繰り改善、リスケジュール、金融機関交渉
- 事業再生:不採算事業の整理、事業ポートフォリオ見直し
- 業務再構築:業務フロー改善、DX導入、管理体制再整備
- 再成長支援:PMIや新規事業支援、戦略立案など
財務・事業・業務の三位一体で企業を再建し、時にはハンズオンで現場に入りながら成果を出すスタイルが特徴です。
2. ITコンサル出身者が再生コンサルで活躍できる理由
- 構造化力:複雑な課題を分解・整理し、解決策を提示できる
- 業務可視化の経験:AsIs/ToBe分析、BPR支援経験が再構築フェーズで活きる
- ITの定量評価視点:コスト構造やROIの定量的アプローチが可能
- プロジェクト推進力:マルチステークホルダー調整やドキュメント作成力
特に経営課題を“ITでどう支えるか”という視点を持っていた方は、再生案件での「変革の実行部隊」として強みを発揮できます。
3. 必要なスキル・知識とキャッチアップ方法
- 財務三表(PL・BS・CF)の理解
- 事業デューデリジェンス(事業DD)の基礎
- コスト削減・固定費見直しの思考法
- 再生支援のフレーム(再生ADR、私的整理、スポンサー支援)
書籍『企業再生実務のすべて』『再生ファームの仕事』『戦略BPR』などを通じて基礎知識を習得するのがおすすめです。
4. 志望動機(例文)
私はこれまでITコンサルタントとして、基幹業務システムの構想策定、BPR支援、PMO業務に従事してまいりました。その中で、単なるシステム導入ではなく、企業の根本的な業務構造や経営課題に深く向き合う重要性を感じ、経営再建・変革を支援する再生コンサルタントのキャリアを志望しております。
貴社はハンズオンでクライアントと向き合い、業務・財務・戦略を一体で支援されており、私の業務改革やIT活用の視点が再生局面においても貢献できると考えております。
5. 職務経歴書の記載例
【職務経歴概要】
株式会社ITコンサルティング(2018年4月〜2024年3月)
職種:ITコンサルタント(業務改革/BPR/PMO)
【主な業務】
・業務システム刷新における構想策定・要件定義・RFP作成
・BPR(業務プロセス可視化とToBe設計、KPI設計)
・コスト削減/業務効率化の施策立案と推進支援
・PMO(進捗・課題・リスク管理、会議体運営、資料作成)
【プロジェクト実績】
・大手メーカーの業務改革プロジェクト(現状分析〜ToBe設計)
・流通業の販売管理システム刷新支援(構想〜要件定義)
・ERP導入におけるユーザー側PMOとして全社横断で支援
【スキル・使用ツール】
・PowerPoint、Excel、Visio、Slack、Backlog
・業務分析、ロジカルライティング、財務三表理解(基礎)
まとめ:ITコンサル出身者は、再生の現場で変革のエンジンになれる
ITコンサル出身者の構造化力、業務改善スキル、プロジェクト推進力は、再生コンサルの現場で強力な武器となります。必要なのは、財務・事業の視点をキャッチアップし、経営全体に関わる覚悟と視座を持つこと。再生の現場で「本当に意味のある変革」を起こす力を、次のキャリアで発揮してみませんか?