事業会社での経験を活かし、より広範な課題解決や経営視点でのキャリアアップを目指して、大手総合系コンサルティングファームへの転職を志すビジネスパーソンが増えています。本記事では、そのためのステップを具体的に解説し、最後に使える志望動機例や職務経歴書例を紹介します。
1. コンサルファームが求める人物像を理解する
大手総合系ファーム(例:アクセンチュア、デロイト、PwC、KPMG、EYなど)は、多様な業界に対して戦略・業務・IT・人事など幅広いサービスを提供しています。彼らが求めるのは、以下のようなスキルセット・マインドセットを持った人材です。
- 論理的思考力と課題解決力
- 多様なステークホルダーとのコミュニケーション能力
- 高いドキュメンテーション力とプレゼン能力
- 未知の領域でも学び続けられる姿勢
- プロジェクトをやり抜くスタミナと責任感
2. 自身の経験をコンサル文脈で整理する
事業会社での経験はコンサルにとって貴重な“実行力”の証です。特に下記のような経験は強みとして評価されます:
- 新規事業開発・企画推進
- 業務改善やBPRの実績
- デジタルプロジェクト推進(DX)
- 経営層へのレポーティング・提案経験
- 部門横断でのプロジェクトマネジメント
こうした実績を「課題→打ち手→成果」の構成で整理し、汎用的に語れるようにしておくことが大切です。
3. ケース面接・フェルミ推定への準備
中途採用であってもケース面接が課されることは多くあります。戦略・業務コンサルでは「構造化思考」「ロジカルな仮説立て」「MECEな分解」などが問われます。以下のような対策をおすすめします:
- 『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』などで基礎を理解
- ケース面接練習をオンラインサービスや勉強会で実施
- 市場構造やビジネスモデルについて日常的に学習
4. 転職エージェントを活用する
コンサルティングファームは各社ごとにカルチャーや求める人物像が異なります。志望動機や選考対策を適切に行うためには、業界に強いエージェントのサポートが不可欠です。書類添削・模擬面接・企業ごとの傾向分析を受けることで、通過率が大きく変わってきます。
5. 志望動機の作り方
志望動機は「なぜコンサルなのか」「なぜそのファームなのか」「その中で何を成し遂げたいか」の3点を押さえます。以下に例を記載します。
■ 志望動機(例)
私は事業会社にて新規サービス立ち上げや業務改善に従事する中で、より広範な業界・企業の課題解決に携わり、経営に資するインパクトを出したいという想いが強まりました。貴社は戦略から実行までを一貫して支援し、多様な業界知見とプロフェッショナル人材を抱えており、自身の事業サイドの経験を掛け合わせることでより大きな価値を提供できると確信しています。特にデジタルトランスフォーメーション領域において、貴社の事例に魅力を感じており、私もその一員として社会にインパクトを与えるプロジェクトに参画したいと考え、志望いたしました。
6. 職務経歴書の記載例
以下は職務経歴書の簡易例です。応募先に合わせて、プロジェクトの詳細や成果、使用スキルを記載しましょう。
【職務経歴概要】
株式会社◯◯(2017年4月〜現在)
所属:経営企画部/新規事業開発部
職位:マネージャー
【業務内容】
・新規事業(SaaS型サービス)の企画立案および立ち上げ
・部門横断プロジェクトのPM(RPA導入、業務フロー改善)
・経営層への戦略提案、年次予算策定、KPI設計
・外部ベンダーとの要件定義・交渉
・市場調査および競合分析
【主な実績】
・新規事業を6ヶ月でローンチ、初年度売上3億円を達成
・RPA導入により、年間1,200時間の業務削減を実現
・部門KPI見直しにより、営業効率20%改善
・経営会議にてDX施策のプレゼンを主導し、年間予算を獲得
【活用スキル】
・戦略思考/構造化スキル/プロジェクトマネジメント
・Excel、PowerPoint、Tableau、Slack、Notion、Salesforce
・英語(ビジネス会話レベル)
まとめ:事業会社出身者こそ、総合系ファームの即戦力に
事業会社で培った「現場感」や「実行力」は、コンサルにとって大きな武器です。その強みを自分の言葉で語れるように整理し、論理性と熱意を持って面接に臨めば、総合系ファームへの転職は十分に実現可能です。ぜひ一歩踏み出してみてください。