コトラ（広報チーム） 
営業から経理への転職は可能なのか？
営業職から経理職への転職は、適切な準備とスキルアップ次第で十分に可能です。営業経験を持つ人材は、数値管理能力やコミュニケーション力など、経理職でも活かせるスキルを既に備えていることが多いです。特に、最近では未経験者を積極的に採用する経理職の求人も増えており、転職のハードルは以前よりも低くなっています。
営業と経理の違い：適性とスキルの比較
営業職は「対外的な交渉力」や「人とのコミュニケーション能力」が重視される職種である一方、経理職では「正確性」や「管理能力」といった内向きのスキルが重要視されます。具体的には、営業では顧客と直接関わる場面が多く、人間関係を構築しながら数字を達成する能力が求められます。一方、経理では日々の取引や決算業務を通して正確なデータを扱い、会社の財務状況を把握・改善することが主な役割となります。
ただし共通する部分も少なくありません。たとえば、営業で培った数値目標の管理能力や課題を打開する能力は、経理職においても活きる場面が多いです。こうした共通点を理解しながら、自分の適性やスキルアップの方向性を考えることが重要です。
求められるスキルとは？経理職への第一歩
経理職に転職する際、まず必須となるのは基礎的な会計知識です。特に、簿記2級程度の資格を取得することで、経理業務への理解をアピールできます。簿記資格は経理の基本スキルであり、未経験者が経理職への第一歩を踏み出すための有力な武器となります。
また、Excelを使ったデータ処理スキルも求められることが多いです。営業職で実績管理や予算計画に携わった経験がある場合、そのスキルを具体例として挙げつつ経理職でどのように活用できるか示すと良いでしょう。さらに、最近ではERP（統合業務システム）や会計ソフトを活用する案件も増えているため、基本的なITスキルを習得しておくことも転職にプラスとなります。
未経験からでも挑戦できる理由
経理職への転職が未経験でも可能な理由は、経理業務に必要なスキルが効率的に学べる環境が整っていることにあります。特に、簿記や会計の知識は独学や資格取得を通じて比較的短期間で習得可能です。また、多くの企業では入社後にOJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）を通じて実務スキルを学べるため、意欲があれば十分キャリアチェンジが可能と言えます。
さらに、営業職での経験を生かした経理求人も増えています。たとえば、営業経理職のように、営業部門と経理業務の橋渡しをする役割を担う職種では、営業職で培ったスキルをダイレクトに活用することができます。このようなポジションは、キャリアチェンジの第一歩としても適しています。
転職者の体験談：成功例と課題
実際に営業から経理へ転職した成功例として、30歳男性のケースが挙げられます。この方は大手金融機関で法人営業を担当していましたが、経済学部で学んだ基礎を活かし電力会社の経理財務部門に転職しました。営業時代に培った数値管理能力とプレゼンテーション力が評価され、転職後も順調にキャリアを進めています。
一方で、課題として挙げられるのは「業務の細かさ」に慣れるまでのギャップです。営業職ではフレキシブルかつダイナミックな環境に慣れているため、経理のルーティン業務や細部に注意を払う作業に戸惑うこともあります。こうした課題に正面から向き合うためには、自分の適性を見極めることと、資格取得や知識補強をしっかり行うことが重要です。
www.kotora.jp営業経験が経理転職で活かせるポイント
数値管理の経験を共有する力
営業職では、日々の業務の中で売上や利益といった数値目標を管理し、達成に向けた行動を取ることが求められます。このような数値管理の経験は、経理職でも十分に活かすことが可能です。経理では、売上予測や予算管理といった作業が含まれるため、営業職時代に培った「数字を見る力」や「数値目標を達成する方法を考える力」が転職後の即戦力となり得ます。特に、計数管理能力が高いことは、経理職において大きなアピールポイントとなります。営業経験から得られるデータの分析力や目標達成意識は、経理業務において効率的かつ戦略的な業務運営を支えるでしょう。
顧客折衝のスキルが強みになる理由
営業職で培った顧客折衝のスキルは、経理職に転じた際にも強みとなるケースがあります。特に、経理部門が会社全体の資金管理や資産運用を担う位置付けである場合、社内外の関係者とのコミュニケーションが重要です。営業職におけるクライアントとの交渉スキルや調整能力は、経理として予算に関する調整や部門間の意見集約を行う際に役立ちます。また、営業での経験があることで、相手のニーズを汲み取りながら交渉をスムーズに進めることが可能となり、経理でも信頼される存在になれるでしょう。
営業視点で経営を支える経理になる
営業職の経験を持つ経理担当者は、単に帳簿を正確に管理するだけでなく、営業の視点を織り交ぜた提案型の経理として活躍することができます。営業では顧客のニーズを先読みし、市場動向を考慮した提案を行う経験を積みます。この視点が経理の仕事に加わることで、経営の目線で経理業務を遂行する力が育まれます。たとえば、事業部門に対する経理的なアドバイスや、コスト削減・利益拡大のための提案を行う際に、営業職時代の知識や経験が大いに役立ちます。営業経験を活かして、数字だけでなくその背景や行動を考えられる経理担当者となることで、さらなるキャリアアップの可能性も広がるでしょう。
転職成功のための準備とステップ
簿記資格の取得は必要か？
営業から経理への転職を目指す際に、まず検討すべきなのが簿記資格の取得です。経理職は企業の財務管理や会計業務を担うため、簿記の知識は基礎中の基礎とされています。特に日商簿記2級以上を持っていると、多くの求人で条件を満たすことができる場合が多いです。ただし、未経験者向けの求人では、資格が必須ではないケースもあります。実務経験を積みながら資格を取得するという選択肢もあるため、自身の状況やスケジュールに合わせて計画を立てることが重要です。
職務経歴書の書き方：アピールポイントの明確化
営業職から経理職にキャリアチェンジを目指す際には、職務経歴書の内容が転職成功の鍵となります。営業職での経験をどのように経理職に活かせるかを具体的に示すことが重要です。例えば、数値目標を管理し達成した経験は、データを基にした分析力や計数管理能力としてアピールできます。また、顧客折衝を通じて培ったコミュニケーション能力は、社内外での調整業務に役立つスキルとして強調できます。採用担当者が「このスキルは経理職で役立ちそうだ」と思える具体例を盛り込むことで、転職成功の可能性が高まります。
ステップアップにつながる求人の探し方
転職を成功させるためには、適切な求人情報に出会うことが不可欠です。営業から経理へ転職する場合、未経験歓迎の求人や営業経理というクロスした領域の職種を探すのも有効です。また、上場企業やIPO準備を進める企業では、キャリアアップの可能性が広がる求人が多く見られるため、長期的な視点での検討がおすすめです。転職サイトやエージェントの活用も有効で、経理職未経験者向けの求人を効率よく見つけることができます。特に、着実にスキルを身につけながら成長できる環境を選ぶことが重要です。
経理未経験者が注意したいポイント
経理未経験で転職を目指す場合、注意すべきポイントを理解しておく必要があります。まず、経理業務には正確性とスピードが求められるため、細かい作業に集中して取り組む姿勢が大切です。また、転職初期は分からない業務が多く戸惑うかもしれませんが、素直に学ぶ姿勢を持つことが大切です。そして、日々の業務においてPCスキル、特にExcelの操作能力は必須と言えます。最低限、関数やピボットテーブルを活用できるレベルを目指しておきましょう。注意点を把握し、適切な準備を進めることで、転職後のスムーズなスタートを切ることができるでしょう。
実際にキャリアチェンジした後の生活とキャリア展望
経理職の働き方：ライフバランスの変化
営業職から経理職へ転職した場合、働き方やライフバランスに大きな変化が見られます。営業職は顧客対応や訪問といった外出中心の業務が多く、多忙なスケジュール調整が求められる場合が多いですが、経理職ではオフィスでのデスクワークが主流となることが一般的です。また、経理業務は定例的なスケジュールに基づくことが多いため、計画的に仕事を進めやすく、残業や急な対応が発生しにくい職種と言われています。その結果、仕事とプライベートの両立が図りやすく、ワークライフバランスを重視する方にとって非常に魅力的なキャリアと感じられることでしょう。
キャリアの幅が広がるその後の可能性
経理職にキャリアチェンジした後のメリットは、自身のキャリアの幅が大きく広がることです。経理の経験を積むことで企業経営に欠かせない計数管理力や財務の知識が身に付きます。これにより、経理マネージャーや財務職、さらには経営企画職へのキャリアアップの道が開かれる可能性もあります。特に上場企業やIPO準備企業の経理部門での経験は市場価値が高く、これらの経験を活かすことで将来的に年収アップや専門性の高いポジションへの転職が期待できるでしょう。また、これまでの営業経験を組み合わせることで、数値管理のみならず、ビジネス視点や戦略構築力を持つ希少な経理人材としてさらなる活躍が見込めます。
転職後に求められるスキルアップ
経理職に転職した後も、さらなるスキルアップが求められます。まず、簿記資格の上位級や財務分析の知識を深めることで、より専門性の高い仕事に対応できるようになります。また、経営判断に役立つ予実分析や管理会計のスキルを磨くことで、将来的には経理部門のリーダーとしての役割を担うことも可能です。さらに、営業職で培った顧客折衝やコミュニケーションスキルを活かし、他部門との連携を深めることも転職後に重要なスキルとなります。経理職は正確性や法律的な知識が求められる面もあるため、新しい環境での学びを継続しながら専門性を高める努力が必要です。