【令和6年】公認会計士試験の合格率と大学ランキング

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令和6年公認会計士試験の概要

試験制度の構成と特徴

 令和6年公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の二段階で構成されています。短答式試験は年2回実施され、その合格者のみが年1回行われる論文式試験に進むことができます。公認会計士は監査業務を行うことができる唯一の国家資格であり、その試験内容は専門的かつ実務に即した知識が求められるものです。また、最終合格後には実務経験を積むことが必須であり、試験から実務までの一連のプロセスを通じて、会計・監査分野の高度な専門家が育成されます。

令和6年の出願者・受験者数

 令和6年公認会計士試験の願書提出者は21,573名で、前年より1,256名増加しました。このうち、実際に受験した人数は4,354名でした。2024年11月15日に発表された合格者数は1,603名であり、合格率は36.8%となっています。この合格率は前年と変わらないものの、合格者数は59名増加しており、公認会計士を目指す人たちの関心が依然として高いことを示しています。

短答式試験と論文式試験の違い

 短答式試験は、公認会計士試験の第1段階にあたり、主に基礎的な知識が問われます。受験者が計算問題や知識問題に迅速かつ正確に対応する能力が求められる試験であり、合否は絶対基準で判定されます。一方、論文式試験は、第2段階として、より応用力が求められる試験です。複数の科目にわたり論述力や分析力を評価する内容となっており、試験全体を通じた得点が合否判定の基準となります。このような二段階試験制度は、基礎から応用までの総合力を持つ人材を選抜することを目的としています。

過去年度と比較した受験者数の推移

 近年の公認会計士試験は、出願者および受験者数ともに増加傾向にあります。令和5年試験では願書提出者が20,317名であったのに対し、令和6年では21,573名と着実に増加しました。この背景には、会計プロフェッションの需要拡大や資格取得後のキャリアパスの幅広さが関係していると考えられます。一方で、受験者数は出願者数に比べて増加率が限定的であるため、試験準備のハードルや厳しさが一定の影響を与えていることが伺えます。

受験者の性別・年齢分布

 令和6年の合格者の性別割合を見ると、男性が1,244名(77.6%)、女性が359名(22.4%)と、男性の割合が圧倒的に多い状況です。また、合格者の平均年齢は24.6歳で、最高年齢が54歳、最低年齢が17歳でした。このことから若い世代、特に20代に集中していることが分かります。実際に、30歳未満(20代・10代)の合格者割合は88.7%に達しています。さらに、大学在学中の合格者率が37.7%であることから、学生が試験に積極的に挑む傾向が強いことも特徴です。こうした年齢・性別分布は、公認会計士試験が比較的若い世代にとって親和性の高い資格試験であることを示唆しています。

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注目の合格率 ー 驚異の数字の裏側

全体の合格率とそのトレンド

 令和6年公認会計士試験の合格率は36.8%と発表されました。この数値は前年度と同じ水準を維持しており、試験全体の難易度が高い状況であることが示されています。合格者数は昨年より59名増加し、今年は1,603名が合格しています。このように合格率が一定に保たれている背景には、公認会計士としての質を維持するための厳格な基準があると考えられます。

合格者数の増加が示すもの

 令和6年の合格者数は、過去4年連続で増加しており、公認会計士試験が徐々に受験者層への認知と人気を高めていることが伺えます。また、願書提出者数が前年より約1,200名増加している点も、受験そのものへの関心の高さを反映しています。しかし、公認会計士の資格取得後の幅広いキャリアパスや社会的地位の向上なども、この人気を支える要因と言えるでしょう。

難易度の変化の要因

 試験の難易度は年々監査業務や会計基準の国際化に伴って変化しています。令和6年試験では、合格率こそ前年と同様でしたが、出題内容がより実務に即した形式となり、特に論文式試験では応用力が求められるケースが多かったようです。また、合格者の平均年齢が24.6歳と比較的若いことからも、近年の試験が新卒層や若年層を意識した構成になっていると推測されます。

試験準備に必要な時間と心構え

 公認会計士試験に合格するための目安として、一般的に3,000時間以上の勉強時間が必要と言われています。多くの受験者は短答式試験対策から始め、徐々に論文式試験にシフトしていく学習プランを取ります。学習の継続には強い意志と日々の計画的な勉強が欠かせません。また、過去問の分析や模試の活用など、合格への道筋を詳しく描くことが重要です。さらに、公認会計士の資格は一歩踏み出す努力が必要な反面、取得後のキャリアにおいて大きなメリットをもたらす点も受験者のモチベーションを高めています。

各試験科目の得点分布とその特徴

 公認会計士試験では、財務会計論や監査論、租税法などの必須科目が中心となります。特に財務会計論では、計算問題の正確性が求められる傾向が強く、論文式試験においても出題範囲が多岐にわたります。一方で監査論は理論的な考察と実務的な理解の両方が必要とされるため、得点分布も均一でないケースが多いです。これらの科目は、受験者の学習計画次第で得点率に大きな差が出るため、戦略的な学習が鍵となります。

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大学別ランキングで見る合格者数の実績

大学別合格者数トップ5の詳細

 令和6年公認会計士試験の合格者数を大学別に見ると、トップ5の大学が日本の難関大学としての実績を再確認させてくれます。1位は例年通りの圧倒的な強さを誇る慶應義塾大学で、合格者数は171名に達しました。2位には早稲田大学が続き、131名の合格者を輩出しています。3位の明治大学は81名で、経理研究所所属者の活躍が顕著でした。4位は中央大学の63名、そして5位には東京大学が60名でランクインしています。この結果は、トップ5大学が公認会計士試験において依然として大きな存在感を放っていることを示しています。

長期にわたりランクインする大学の特徴

 長期間にわたり上位にランクインし続ける大学には、いくつかの共通点があります。まず、高いレベルの教育環境や豊富な教材、歴史ある研究室や講座の存在が挙げられます。また、試験対策を専門とした指導の充実や、OB・OGネットワークによる支援体制も大きな強みとなっています。特に慶應義塾大学や早稲田大学などは、公認会計士を目指す学生のための勉強サークルや相談会が盛んであり、このような学内支援が合格者数を支えている要因として考えられます。

慶應義塾大学の圧倒的な強さの理由

 慶應義塾大学が毎年トップの合格者数を維持している理由としては、同大学が公認会計士試験対策に力を入れている点が挙げられます。特に、慶應義塾大学には専門的な資格試験支援プログラムが整備されており、早期から受験に向けた勉強計画を立てやすい環境が提供されています。また、慶應義塾大学出身者の多くが会計や経営の実務で優れた実績を持つことも後輩たちの励みとなっており、この循環によって合格者数が高い水準で維持されているのです。

地方大学の健闘と可能性

 地方大学においても、近年、公認会計士試験で健闘している大学が増えています。たとえば、一橋大学や神戸大学、同志社大学といった地方に拠点を置く大学でも、50名以上の合格者を輩出するなど注目に値する成果を上げています。地方大学のメリットは、都市部に比べて静かで落ち着いた学習環境が用意されている点です。さらに、産学連携や地域密着型の実務経験を得られる機会があるため、受験勉強と実践を並行して行えるメリットが挙げられます。

国公立大学と私立大学の比較

 国公立大学と私立大学の比較を見ると、私立大学の存在感がやや強いように感じられます。特にトップ5の大学には慶應義塾大学や早稲田大学、明治大学といった私立大学が上位を独占しています。一方、国公立大学も東京大学や京都大学、神戸大学などが着実に成果を上げており、学問深く専門的な教育によって健闘しています。全体的な傾向を見れば、国公立大学の合格者数は少ない傾向にあるものの、一人ひとりの完成度が高く、合格後の活躍も期待されています。

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今後の公認会計士試験、そして合格者への期待

公認会計士試験の未来展望

 公認会計士試験は、年々変化する経済環境や社会的ニーズに適応する形で進化を続けています。特に令和6年以降、公認会計士の需要はさらに高まると予想されており、企業のガバナンス強化や財務報告の透明性向上において重要な役割を果たす資格として注目されています。試験制度にも改革の兆しが見られ、デジタル会計や国際会計基準に対応した内容の拡充が期待されています。受験者数の増加からもわかるように、公認会計士という資格の魅力は今後さらに広がることでしょう。

資格取得後のキャリアパスと選択肢

 公認会計士資格を取得することで、幅広いキャリアパスが開かれます。資格取得後は、監査法人に勤務することが一般的ですが、近年では一般企業への転職や独立してコンサルタントとして活躍する例も増えています。また、国際的な業務を担うケースも多く、海外での活躍を目指すことも可能です。これに伴い、公認会計士としての合格者数が増加する一方で、グローバルな視点を持つ人材の育成が求められています。公認会計士は会計監査の専門家としての責務を果たしつつ、経営戦略やリスク管理などの分野でも貢献できる職業と言えるでしょう。

社会的責任としての公認会計士

 公認会計士は、企業の財務諸表が正確であるかを監査する役目を担い、社会全体の信頼を支える重要な存在です。この役割を果たすには高い専門性と倫理観が求められます。また、最近の経済危機や不祥事問題により、監査業務の必要性と公認会計士の信頼性がより強調されています。試験を突破して資格を取得した後は、単に技術を磨くだけでなく、高いモラルを維持し、社会の期待に応えていくことが重要です。それこそ、公認会計士が長期的に社会へ価値をもたらす鍵となります。

試験制度の変化と新時代の受験者像

 令和6年以降の公認会計士試験は、デジタル化の進展や教育環境の変化に合わせて進化していくと考えられます。これまでの試験では、論文式試験や短答式試験を通じて幅広い知識と応用力が問われましたが、今後はITスキルや統計・分析能力といった新しい分野の技術が要求される可能性があります。さらに、受験者層も多様化してきており、従来の大学生中心の構成から、社会人や女性の割合が増加しつつあります。このような変化は、公認会計士試験合格者数のさらなる増加とともに、資格に対する新しい価値観を創出していくでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)