監査法人の給与事情を深掘り!初任給からキャリアアップまで完全ガイド

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監査法人の初任給とは?

初任給の相場はどれくらい?

 監査法人における初任給は、公認会計士という高い専門性を持つ職業であることから、他の職種に比べて高めに設定されています。一般的な初任給の相場は30万円から35万円程度で、年収に換算すると約550万円前後になることが一般的です。これは、若い世代の平均年収と比較しても高めの水準といえるでしょう。これに加え、残業代やボーナスなどがプラスされるため、実際の給与はさらに上昇する可能性があります。

4大監査法人(Big 4)の初任給比較

 デロイト トウシュ トーマツ、アーンスト&ヤング(EY)、KPMG、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)といった4大監査法人(Big 4)は、新卒採用では大体同じような初任給水準を提示しています。各法人の初任給は30万~35万円前後で、年収ベースでは約500万円から600万円が目安となります。これらの監査法人は、公認会計士試験合格者の多くが目指す入社先であり、給与水準だけでなく充実した研修制度やキャリアパスの可能性が人気の要因のひとつです。

中小監査法人との給与差

 4大監査法人に比べると、中小監査法人の初任給はやや低めになる傾向があります。一般的には月給が25万円から30万円程度となり、年収は約400万円から500万円程度が目安です。ただし、給与水準については地域やその法人の規模、業績により差があります。また、業務量や働きやすさといった点で中小監査法人を選ぶ人も多く、給与だけでは測れないメリットも考慮する必要があるでしょう。

給与に含まれるボーナスと手当

 監査法人の給与には、基本給以外にボーナスや手当が含まれることが一般的です。例年、ボーナスは年2回(夏と冬)支給され、勤続年数や業績評価によって金額が決定します。特に4大監査法人では、業績が好調なことが多いため、比較的高額なボーナスを期待できるでしょう。また、手当としては残業代や資格手当が大きなウェイトを占めることが多いです。公認会計士という資格を有していることが給与の底上げにつながるため、資格手当は高く設定される傾向にあります。これに加え、通勤手当や住宅手当を支給する法人もあり、初任給以上に収入を得られる可能性が高いのが特徴です。

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職位別に見る給与の推移

スタッフ:基礎を築く段階の給与

 スタッフ職は監査法人でのキャリアのスタート地点となる職位です。この段階では、多くの場合基礎的な監査業務を通じて経験を積み、スキルを身につけていきます。年収の相場は初任給で月額30万円程度となり、年間では500万円から550万円前後が一般的です。この給与水準には、ボーナスや一定時間分の残業代も含まれています。スタッフ職の給与は公認会計士試験に合格し、大手監査法人(Big 4)に就職する場合でも大きく変わりません。中小監査法人ではやや給与が低い傾向にありますが、業務量や職場環境、さらにはキャリアアップの機会も異なるため、自分に合った環境を見極めることが重要です。

シニアスタッフ:数年後に迎える昇給ポイント

 シニアスタッフ職は、スタッフ職での経験を経て数年後に昇進するポジションです。この職位では監査業務の主担当やチームの指導を任されるケースも多く、責任が増える分、年収も上がります。相場は600万円~800万円ほどで、評価によってさらに昇給が期待できます。特に大手監査法人では、この昇進ポイントが重要であり、昇給幅も比較的大きいのが特徴です。女性も含め働きやすい環境が整っているケースが多く、スキルアップと収入アップを同時に目指せる位置付けとなっています。

マネージャー:高収入を目指すポジション

 マネージャー職は、多くの監査スタッフやクライアントのプロジェクトを統括する重要な役職です。この段階になると、大手監査法人では年収は800万円から1,000万円を超えることも珍しくありません。中小監査法人でも同水準または若干低めの給与水準ですが、会社によっては柔軟な働き方が可能なため、環境面のメリットを重視する人もいます。マネージャーに昇格するためには、プロジェクト管理能力や高い専門知識が必要とされ、ここをクリアすることでさらに高収入となる役職へのステップアップが見えてきます。

パートナー:トップ層の年収の実態

 監査法人でのキャリアの頂点に位置するのがパートナー職です。この役職に昇進すると、法人の所有権を一部持ち、法人全体の利益分配に関与することになります。トップ層であるパートナーの年収は圧倒的に高く、大手監査法人では2,000万円~3,000万円以上に達することもあります。中小監査法人でも1,500万円~2,200万円前後が一般的です。パートナーになるためには長年の実績や高い評価を得る必要があるため、多くの公認会計士がこのポジションを目指してキャリアを積んでいきます。年収が非常に高いというメリットの一方で、責任の度合いも大きくなるため、より高い経営感覚やリーダーシップが求められます。

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大手監査法人vs中小監査法人:給与とキャリアの違い

大手監査法人の特徴とメリット

 大手監査法人、いわゆる「BIG4」(デロイト トウシュ トーマツ、アーンスト&ヤング(EY)、KPMG、プライスウォーターハウスクーパース(PwC))は、日本国内外で高い知名度を誇る監査法人グループです。ここで働く公認会計士は、平均年収788万円ともいわれ、中小監査法人と比較して高い給与水準が特徴です。また、教育体制が充実しており、新人からマネージャー職へのステップアップがスムーズに行えるキャリアパスが整備されています。

 さらに、大手監査法人では国際案件や大規模プロジェクトに携わる機会が多いため、幅広いスキルと業界知識を身につけることができます。国際監査基準(IFRS)や多国籍企業への対応など、専門的なスキルを早い段階から磨くことができる点も大きなメリットです。これにより、監査法人での経験を活かしてグローバル企業への転職や海外でのキャリア展開を目指すことも容易となります。

中小監査法人の魅力と給与事情

 中小監査法人では、大手に比べて規模は小さいものの、小回りの利く環境や直接クライアントと関わる機会が多いことが特徴です。給与水準では大手にやや劣るといわれており、平均年収は約652万円とされています。ただし、パートナー職に昇進すれば、年収2,100万円以上を狙うことも可能です。

 中小監査法人では、一人ひとりが多様な役割を担うため、幅広い業務経験が積みやすくなります。例えば、クライアントとの直接的なコミュニケーションや提案業務を通じて、マネジメントスキルやクライアント対応能力が向上します。このような環境は、独立を視野に入れたキャリアを目指す方や、事業会社での経理や財務部門への転職を希望する方に向いています。

キャリアパスと収入の違い

 大手監査法人と中小監査法人では、提供されるキャリアパスや収入面に明確な違いがあります。大手監査法人では、シニアスタッフやマネージャーへと昇進するタイムラインが明確であり、最短ルートで昇給が期待できます。一方、中小監査法人では、少人数であるがゆえに役職昇進の競争が比較的少なく、経験や実績に応じて柔軟に進路設計が可能です。

 収入については、大手は安定的かつ高水準な給与体系が整備されている一方で、中小では短期間で高収入を得ることは難しい場合があります。しかし、経験値を活かして独立しやすい環境も整っており、将来の年収アップを見据えてキャリアデザインを行うケースが多いです。どちらの選択肢を取るかは、個人のライフプランやキャリアビジョン次第です。

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年収アップを目指す方法と具体的なステップ

収入アップを目指すスキルアップのポイント

 監査法人で働く公認会計士が年収を高めていくためには、専門スキルの向上が欠かせません。公認会計士としての資格を持つことはもちろんですが、さらに業務の幅を広げるスキルを習得することが求められます。例えば、国際基準(IFRS)に対応した監査業務やデータ分析スキル、IT監査のスキルは、現在高い需要があります。また、クライアント対応力やリーダーシップスキルを磨くことも、将来的な年収アップへの大きな鍵となります。

役職昇進の条件とタイムライン

 監査法人では、スタッフ職からシニアスタッフ、マネージャー、そしてパートナーへと昇進するキャリアパスが一般的です。この昇進の流れは年収アップに直結し、特にシニアスタッフやマネージャー昇進時には目を見張る昇給が期待できます。昇進には実績と経験の蓄積が重要で、通常スタッフからシニアスタッフまでは3年程度、シニアスタッフからマネージャーへは5年程度かかることが一般的です。成果をアピールしつつ、上司やクライアントから信頼を得ることが昇進の鍵となります。

副業や転職で実現する収入アップ

 近年、公認会計士の中には副業や転職によって収入アップを図る人も増えています。副業では、監査業務以外の分野で専門知識を活用し、税務相談やコンサルティング業務を行うケースが多いです。一方、転職は特に大手監査法人から中小監査法人や事業会社に移る事例があり、責任のあるポジションを得ることで年収1,000万円以上を目指せます。自分のキャリアに合った選択肢を見極めることが重要です。

海外監査法人への挑戦で年収を伸ばす

 海外監査法人での勤務は、年収の大幅なアップを狙えるだけでなく、国際的なキャリアを形成する絶好の機会となります。特にBig 4監査法人が海外に拠点を持っているため、内部異動で海外勤務を経験するケースが増えています。英語力や異文化コミュニケーション力を磨くことで、海外での活躍が可能になり、現地のスタッフと同等、あるいはそれ以上の高年収を得ることが期待されます。

将来性を見据えたキャリアデザイン

 監査法人勤務の公認会計士が年収アップを目指す上で、短期的な収入の増加だけでなく、長期的なキャリアプランを描くことが重要です。将来、独立して事務所を構える、または事業会社の経営陣に転身する道も考慮しつつ、今必要なスキルと経験を積み重ねていくべきです。そのためには、現時点で働いている監査法人での役割や、自身の市場価値を客観的に評価し、適切なキャリアデザインを行うことが不可欠です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)