監査法人からFASへ転身!キャリアアップと新たな挑戦とは?

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監査法人からFASへの転身:その背景と魅力

FASとは?職種概要と役割の解説

 FASとは「Financial Advisory Services(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)」の略称で、財務関連のコンサルティングに特化した職種を指します。主な業務内容として、M&A支援、企業再生支援、フォレンジック(不正調査)、財務デューデリジェンス、バリュエーション、PMI(統合後プロセス)のサポートが挙げられます。

 この業務では、企業の財務状況を深く理解し、適切なアドバイスを行うことが求められます。加えて、FASはBIG4系FAS、独立系FAS、税理士法人系FASといったさまざまな形態があり、それぞれの特徴と得意分野も異なります。FASは監査法人出身者にとって、培った財務スキルや論理的思考を活かして新たな挑戦ができる場として注目されています。

監査法人とFASの違い:スキルと仕事内容の比較

 監査法人とFASは、同じ財務領域の仕事でありながらスキルや仕事内容に違いがあります。監査法人では基本的に企業の財務諸表の正確性をチェックし、法令や会計基準への準拠を確認することが主な業務となります。そのため、職務のほとんどが会計監査に携わる時間で占められ、ルーティン的な業務が多い傾向があります。

 一方、FASでは企業価値向上を目的としたコンサルティング業務が中心となります。M&A提案や実行サポート、企業再生のプランニング、あるいはPMI支援などクライアントごとに異なる課題に対応する必要があるため、クリエイティブな問題解決能力や戦略的な考え方が求められます。こうした点から、監査業務よりも柔軟性が高く、案件に応じて財務以外の分野まで幅広く関与するケースも少なくありません。

 また、FASではプロジェクト単位で仕事が進むため、スケジュール管理やタスク遂行能力も重要なスキルとなります。このように、監査法人で培った分析力や会計知識をベースにしつつ、新たなチャレンジスキルを求められる点がFAS独自の魅力と言えます。

FASへの転身が求められる理由とは?

 公認会計士など多くの専門家がFASへの転身を目指す理由は、キャリアアップや業務の多様性にあります。近年ではM&A市場の拡大や企業のグローバル化により、FASの需要が急速に高まっています。その結果、監査法人出身者を対象とした採用枠も広がっており、多くの会計士がFAS業界への転職を考えるようになりました。

 また、監査法人ではルーチンワークや決まったスケジュール管理が重視される一方で、FASではクライアントの課題に対する柔軟かつ具体的な解決策を提供する業務が主となります。こうした違いによって、より裁量や挑戦の余地がある業務環境を求めて転身を考える人が増えているのです。

 さらに、FASでの経験はキャリアの幅を広げる上で非常に有益とされています。例えば、M&A支援においては財務分析能力に加えて交渉力やプロジェクトマネジメントスキルが身につくため、将来的に他業界へのキャリアチェンジも視野に入れられます。このように、FASへの転身は専門性の高いキャリアを形成するための大きなステップとして位置付けられています。

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FASで求められるスキルと経験

FASに必要なスキル:公認会計士は有利なのか?

 FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)で求められるスキルは多岐にわたりますが、公認会計士資格は大きなアドバンテージとなります。FASでは、財務デューデリジェンスやバリュエーションといった高度な財務知識や分析力が求められ、監査法人で培ったスキルが転職後に大きく役立ちます。また、監査業務で鍛えられたクライアントとのコミュニケーション能力や論理的思考も、FASでのプロジェクト推進において重要です。

 さらに、M&A支援や企業再生といった業務においては、財務諸表を読み解き、経営状況を評価する力が必要です。公認会計士にとって、これらはすでに経験済みの分野であることが多いため、即戦力として評価されやすいと言えます。特に、大手監査法人出身者はM&A領域で求められる信頼や専門性を担保する存在として、大手および独立系FASの双方から高く評価されます。

財務分析とM&Aの専門性を磨く重要性

 FASへの転職を希望する場合、財務分析能力やM&Aの専門性を高めることが重要です。FAS業務の多くは、クライアントの経営戦略を支援することを目的としています。その中でも、M&A支援はFAS業界で非常に需要の高い分野となっています。具体的には、対象企業の財務書類を分析するデューデリジェンス、適正な企業価値を算出するバリュエーション、M&A後の統合プロセスを設計するPMI(ポストマージャーインテグレーション)などが含まれます。

 また、企業再生支援やフォレンジック(不正調査)も重要な業務領域であり、データ分析やリスク評価のスキルが求められます。監査法人で得た財務データの分析能力はこれらの分野で活かすことができるため、FASへの転職を目指す際に非常に有利に働きます。さらに、M&Aの国際案件が増加していることから、英語力も重要なスキルとして挙げられています。

未経験でも目指せる?転職時に求められる条件

 FAS業務経験がない場合でも、監査法人出身者であればFASへの転職は十分に可能です。未経験者歓迎の求人が増えてきており、特に監査法人での経験や公認会計士資格がある場合、すでに基礎的な能力が備わっているとみなされます。具体的には、財務諸表や経営分析に対する基本的な理解、コミュニケーションスキル、プロジェクト管理能力などが評価されます。

 加えて、転職市場ではFASの需要が高まっていることから、企業側も未経験者を受け入れる姿勢を強めています。その一方で、M&Aや財務アドバイザリー業務に関連する知識を事前に学んでおくことで、よりスムーズなキャリアチェンジが可能になります。このため、専門書を読んだり、セミナーや講座に参加することで、自分の基礎スキルを補強する努力が求められます。

 また、転職先によっては英語力が求められる場合もあります。特にBIG4系FASでは国際案件が多いため、TOEIC700点以上のスコアやビジネス英会話の能力があると、選考で有利になるでしょう。

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FAS転身後のキャリアと働き方

FASでの主な業務内容と流れ

 FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)の業務は、財務に関連したコンサルティング業務が主軸となっています。具体的には、M&A支援、企業価値のバリュエーション(評価)、財務デューデリジェンス(DD)、PMI(統合後支援)、企業再生支援、不正調査(フォレンジック)などが含まれます。それぞれの業務は特定の目的やクライアントのニーズに基づいて進行し、プロジェクトごとに一貫したフローで取り組む必要があります。

 M&A支援業務では、買収希望先企業の財務状況の精査(財務DD)から、企業価値の算定(バリュエーション)、さらには契約締結後のプロセスであるPMIに取り組むことが一般的です。また、不正調査や企業再生支援では財務データの詳細な分析を通じて、クライアントの課題解決に貢献します。このように、業務内容は多岐にわたり、プロジェクトのたびに異なる課題と状況に対応する柔軟性が求められます。

 監査法人出身者が転身した場合、特に財務データの分析や報告書作成スキルを生かすことができ、過去の経験と知識が大いに役立ちます。ただし、クライアントのニーズを満たすための課題設定能力や、戦略的な考え方も重要な要素となるため、働きながら新たなスキルを磨くことも欠かせません。

FASで得られる経験とスキル:キャリア形成への影響

 FASで得られる最大の魅力は、専門性の高い経験とスキルを短期間で蓄積できる点です。特に、M&A関連のプロジェクトでは多国籍企業とのやり取りやクロスボーダー案件にも携われる機会があり、グローバルな視野が広がります。これにより、監査法人での経験だけでは得られなかった新しい知見が培われます。

 また、財務分析や企業価値評価、リスク管理といった高度な専門スキルが身につくのも、FASで働くメリットです。これらのスキルは、公認会計士としてのキャリアアップはもちろん、将来的にCFO(最高財務責任者)や経営コンサルタントといった役職を目指す上でも非常に有用です。そのため、監査法人からFASへの転身は、単なる転職ではなく自身のキャリアポートフォリオを多角的に拡充するチャンスといえます。

 さらに、プロジェクトベースの業務を通じて、チームでの協調性やクライアントとのコミュニケーション能力が鍛えられる点も、今後のキャリアに大きな影響を与えます。これらの能力は、FAS業務だけでなく他のビジネス領域でも高く評価される汎用的なスキルとなります。

転職後の年収や待遇は?

 FASへの転職は年収面での向上が期待できるケースが多く見られます。一般的な監査法人に比べ、FASではプロジェクトごとに高い専門性が求められるため、それに応じた報酬体系が設定されているのが特徴です。特に、大手のBIG4系FASではアソシエイトでも平均して800万円前後の年収が見込めます。シニアレベルやマネージャー以上になると、それ以上の水準に達することも少なくありません。

 独立系FASの場合、大手クライアントに依存せず幅広い案件を受け持つ特性から、在籍者に更なる裁量やスキルが求められるため、年収がBIG4系FASより高くなる傾向があることもあります。ただし、転職直後の待遇はこれまでの職務経験やスキルセット、さらには英語力やCPA資格などの要素にも大きく左右されます。

 また、待遇面では年収以外に働き方の自由度やプロジェクトへの主体的な関わり方も考慮すべきポイントです。監査法人より労働時間が長くなる場合もありますが、その分、達成感や学びが多く得られる環境が整っています。これらの要素を踏まえ、FASへの転身が生み出す価値は、単なる報酬を超えたものとなるでしょう。

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FAS転職を成功させるためのポイント

転職活動を始める前にやるべき準備

 FASへの転職を成功させるためには、まず転職活動を開始する前の準備が非常に重要です。特に、監査法人出身の方にとっては、自分のスキルセットがFASでどのように活かせるかを明確にする必要があります。FASでは、財務デューデリジェンスやバリュエーション、M&A関連業務など、監査業務とは異なる領域が多いため、特にM&Aや財務分析の基礎知識を事前に学んでおくことが重要です。

 また、FAS業界では英語力が求められる場合が多いため、TOEICスコアなど客観的にアピールできる指標があると有利に働きます。さらに、自身のキャリアプランを整理し、FAS転身後にどのような目標を持ち、どんな役割を果たしたいのかを解像度高く描いておくことが重要です。

 資格やスキルに加え、情報収集や転職エージェントの活用によって、転職市場の動向や各FASファームの特徴を把握しておくことで、競争力のある候補者になる準備が整います。

FAS業界を詳しく知るための情報収集法

 FAS業界を詳しく知るためには、業界に関する多角的な情報収集が欠かせません。まず、FASファームの公式ウェブサイトや採用ページを確認し、各ファームの業務内容や企業文化を理解することが重要です。たとえば、BIG4系FASでは規模の大きい案件やクロスボーダー取引に携わる機会が多いのに対し、独立系FASでは中小企業を支援し、クライアント全体を俯瞰して業務に取り組む機会が多いという特徴があります。このような違いを知ることが、自分に合ったファームを選ぶための参考になります。

 また、有益な情報源として、転職サイトや業界特化型の転職エージェントを活用する方法もあります。特に、公認会計士や監査法人出身者向けのキャリアイベントに参加すると、現役のFASファーム社員から直接業界のリアルな情報を得ることができます。さらに、SNSや業界誌、関連書籍などでも最新トレンドや専門知識を学ぶことができます。

 情報収集の段階で重要なのは、単に表面的な情報を得るだけでなく、FAS業界で自分が担うべき役割や関心のある分野に焦点を絞って深掘りすることです。これにより、転職後のミスマッチを避けることが可能になります。

面接対策と成功の秘訣

 FAS業界への転職面接では、自分がファームにどのような価値を提供できるかを明確に伝えることが成功への鍵です。そのためには、監査法人で培った経験やスキルをFASの具体的な業務内容に結びつけて説明する準備をしておく必要があります。たとえば、監査業務で培った財務分析能力やプロジェクトマネジメントの経験が、FASのM&A支援やデューデリジェンス業務でどのように活かせるかを具体的に述べることが重要です。

 さらに、ケーススタディ形式の面接が行われる場合もあるため、業界特有の問題を想定しながら事前に練習をしておくと安心です。ケース面接では、論理的な思考力と問題解決能力が評価されるため、関連するトピック(例:企業価値の算定や再生計画の構築など)に関する基本的な知識を身につけておくと良いでしょう。

 また、FASファームはチームでの業務が多いため、コミュニケーション能力や柔軟性も重視されます。面接においては、自分の人柄やチームワークにおける強みについてもアピールできるようにしておきましょう。

 最終的に面接の成功を左右するのは、相手のニーズを把握し、それに適した形で自身の能力や志向性を的確に伝えることです。そのためには、事前の準備やリサーチが必須であり、面接を単なる審査の場としてだけでなく、自分を売り込む機会として積極的に活用するマインドセットが重要です。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)