コトラ（広報チーム） 
お気に入りに追加
サポート詐欺とは？
サポート詐欺の定義と概要
サポート詐欺とは、インターネット閲覧中に偽のウイルス警告画面や音声メッセージが表示され、ユーザーを欺いて偽のサポートセンターに連絡させる手口の詐欺です。具体的には、ウェブページを閲覧中に「ウイルスに感染しました」といったポップアップメッセージが突然表示され、その中に記載された電話番号へ電話をかけるよう誘導されます。こうした連絡を受けた偽のサポートスタッフは、ユーザーのパソコンに遠隔操作ソフトをインストールさせ、金銭の支払いを求めることが一般的です。支払い方法には、電子マネーのプリペイドカードが頻繁に使われています。
過去の事例と被害状況
サポート詐欺の被害は年々増加しています。例えば、ある事例では、ユーザーが訪問中のウェブサイトで「ウイルス感染」との警告音が鳴り響き、サポートへ電話をかけました。その結果、遠隔操作ソフトをインストールさせられ、2年間のサポート料金をクレジットカードで支払うことになりました。また、別の事例では、ディスプレイに「ウイルス感染、電話してください」と表示され、3年間のサポートとして5万円を電子マネーで支払う羽目になったケースもあります。
2022年度の相談件数は2365件でしたが、2023年度には11月時点で既に3793件と約1.6倍に増加しています。特に70歳以上の相談件数が顕著に増えており、金銭的な被害も拡大傾向にあります。こうした手口は、プロトコル通りに警告画面を表示するだけで実際にはパソコンがウイルスに感染していないケースが多く、そのまま閉じることで問題が解決します。しかし、最近では偽の警告がパソコンを本当に操作不能にする手口も確認されており、被害者の増加が懸念されています。
www.kotora.jp最新のサポート詐欺の手口
近年、サポート詐欺の手口がますます巧妙化しています。特にインターネットを使用中に、突然偽のセキュリティ警告画面が表示されるケースが増加しています。このような警告画面は、ユーザーに緊急性を感じさせ、すぐに対処しなければならないと思わせる内容が特徴です。しかし、これらは実際には詐欺であり、ユーザーの焦りや不安を利用して金銭を騙し取ろうとするものです。2014年から報告されてきた基本の手口に加え、新しい手法も次々と登場しています。
偽のセキュリティ警告画面
偽のセキュリティ警告画面は、パソコンがウイルスに感染しているかのように見せかけ、画面上に警告が表示されることでユーザーを驚かせる手法です。警告は多くの場合、ウイルス感染やシステムの危険を示し、具体的な電話番号に連絡するよう促します。さらに、実際には何の問題もないにもかかわらず、あたかも重大な問題が発生しているように振る舞うため、ユーザーは恐怖心から指示に従ってしまうことがあります。
PCの操作を不能にする手法
2024年には新たな手法として、警告が表示されることでパソコンの操作を実際に不能にするケースも確認されています。これにより、ユーザーは画面を閉じることができず、指示に従わざるを得ない状況になります。この手口では、全画面表示になり、キーボードやマウスの操作を受け付けないようにして、ユーザーをパニックに陥れます。しかし、これも一時的なものであり、強制終了やリスタートで解決することが多いです。
不審な電話番号やサイトへの誘導
サポート詐欺は、ウイルス感染の警告を表示するだけでなく、偽のサポートセンターへの電話やURLへのアクセスを誘導することも一般的です。これらの電話番号やサイトは詐欺グループによって管理されており、連絡した場合、偽の技術者がユーザーのパソコンにアクセスしようとします。実際の事例では、遠隔操作ソフトのインストールを誘導し、その後金銭的要求を行うケースが報告されています。このような手口に引っかからないためには、冷静な対応が求められます。
サポート詐欺の対処法
警告画面が表示された場合の対応
サポート詐欺の手口として、インターネット閲覧中に偽のウイルス警告画面が表示されることがあります。このような警告画面が現れた場合、まずは冷静になることが重要です。多くの場合、警告画面はただの詐欺であり、実際にはパソコンがウイルスに感染しているわけではありません。したがって、警告画面を無視してブラウザを閉じるだけで問題は解決します。絶対に表示された電話番号に電話をかけたり、記載された指示に従ってはいけません。また、安全を確認するために、信頼できるセキュリティソフトでパソコンのスキャンを行いましょう。
電話をしてしまった場合の対応策
万が一、偽のサポートセンターに電話をしてしまった場合でも、慌てないでください。電話中に不審に思ったら、即座に会話を終了し、偽物のサイトにアクセスした場合、遠隔操作ソフトをインストールするよう指示されても無視することが肝心です。もし既にインストールしてしまった場合は、一刻も早くそのソフトをアンインストールし、信頼できるセキュリティソフトを使用してパソコンをスキャンしましょう。また、クレジットカード情報などを提供していた場合は、速やかにカード会社に連絡し、必要な対策を講じることをおすすめします。
今後の防止策と予防法
サポート詐欺を事前に防ぐためには、いくつかの予防策があります。第一に、常に最新のセキュリティソフトをインストールしておき、定期的に更新することが重要です。また、怪しいサイトや信頼性の低いリンクを避けるとともに、インターネット使用時には慎重に行動することが求められます。さらに、サポート詐欺の兆候について情報を得ておくことも防止策の一環です。情報処理推進機構（IPA）などが提供している最新の情報や注意喚起を参考にして、詐欺に関する知識を高めることが大切です。
サポート詐欺の被害を避けるためにできること
セキュリティソフトの活用
サポート詐欺から自分を守るためには、信頼できるセキュリティソフトを活用することが重要です。これらのソフトは、偽警告画面を含む不審なウェブサイトをブロックし、リアルタイムでオンラインの脅威からパソコンを守ってくれます。さらに、定期的なウイルススキャンを行うことで、潜在的な脅威を早期に検出し、適切な対処をすることが可能です。セキュリティソフトの更新を怠らず、常に最新状態を保つことがサポート詐欺の被害を未然に防ぐポイントとなります。
インターネット利用時の注意事項
インターネットを利用する際には、不審なポップアップメッセージに対して冷静に対応することが大切です。通常、正規のセキュリティソフトウェアやプロバイダーからの警告は、緊急に電話を要求することはありません。不自然なメッセージが表示された場合には、落ち着いてブラウザを閉じるか、パソコンの再起動を試みると良いでしょう。また、未知のリンクや添付ファイルはクリックしないように心掛けることも、詐欺の被害を避ける基本の一つです。
詐欺に関する知識を高める方法
サポート詐欺の被害を避けるには、詐欺手法に関する知識を向上させることが不可欠です。定期的に公的機関や信頼できる情報源から提供される詐欺の事例や最新情報を確認する習慣をつけましょう。また、家族や友人とも情報を共有し、疑わしいメッセージや電話が来た際にどう行動すれば良いかを話し合っておくことも大切です。教育機関や専門家が行っているセミナーやウェブの安全に関する講座に参加することも、詐欺から身を守る一助となるでしょう。
まとめと今後の展望
社会全体での意識向上の重要性
サポート詐欺の被害を減少させるためには、社会全体での意識向上が不可欠です。より多くの人々がサポート詐欺の手口を理解し、警戒することで、被害を未然に防ぐことができるようになります。特に、高齢者層を中心に被害が広がっていることから、地域社会や家族間での情報共有を促進し、早期の対策が重要です。また、教育機関や企業においても、詐欺の手口を理解しやすい教材やプログラムを活用し、従業員や学生のセキュリティ意識を高める取り組みを推進していく必要があります。
技術の進化と詐欺手法の変化
技術の進化に伴い、サポート詐欺の手法も巧妙化しています。最近では、本物のウイルス感染と見紛うような警告画面や音声メッセージが増えており、ユーザーを騙して金銭を要求する手口が多様化しています。さらに、2024年からはパソコンを本当に操作不能にしてしまう手口も見られるようになりました。これらの攻撃に対抗するためには、技術開発の進展に応じた柔軟な防御策が必要です。例えば、最新のセキュリティソフトの導入や、普段から不審な警告に対する冷静な判断を心がけることが求められます。同時に、情報処理推進機構（IPA）などの専門機関と連携し、こうした詐欺手法の変遷に関する情報をいち早くキャッチし、広く社会に発信していくことがますます重要になっています。