知っておきたい!データセンターの基礎知識と選び方

heart - 知っておきたい!データセンターの基礎知識と選び方loading - 知っておきたい!データセンターの基礎知識と選び方お気に入りに追加

データセンターとは何か

データセンターの定義

 データセンターとは、インターネット用のサーバやデータ通信装置、さらには固定・携帯電話やIP電話などの通信機器を設置・運用することに特化した施設を指します。これらの施設は、専用の設備を備え、データの安全な保管と流通を確保するために構築されています。特に、インターネットへの接続に特化したインターネットデータセンター(iDC)は、通信事業者の光ファイバーを多く引き込み、多様な通信回線を利用可能にしています。

インターネット用のサーバやデータ通信機器の集積

 データセンターは、インターネット用のサーバやデータ通信機器が集積されています。これにより、大量のデータを高速かつ効率的に処理することが可能となり、世界中のユーザーと円滑な通信を実現します。データセンターには、膨大な数のラックやサーバが整然と配置されており、効率的なデータ処理を担っています。これらの施設では、特に耐震構造が採用され、災害時にもサービスの継続が可能です。

企業のITインフラの安全運用の要

 データセンターは、企業のITインフラの安全運用において非常に重要な役割を果たします。データの保管や管理は、専門的な管理者によって行われるため、運用コストの削減が期待できます。また、停電などの非常時にも大容量の蓄電池や自家発電装置により安定的に電力を供給する設計が施されており、事業継続においても信頼性があります。こうした設備は、企業がITインフラを安全に運用し、デジタルトランスフォーメーションを進める際の基盤として機能します。

転職のご相談(無料)はこちら>

データセンターの種類

ハウジングとホスティングの違い

 データセンターには、ハウジングとホスティングという二つの基本的なサービス提供形態があります。それぞれの違いを理解することは、企業が最適なITインフラ運用プランを選択するために重要です。

 ハウジングとは、自社のサーバをデータセンターに預けて運用することを指します。このアプローチは、自社でサーバを購入し、その物理的な設備をデータセンターに設置することで実現します。ハウジングは、初期投資を抑えつつ、インフラの運用をプロの手に委ねることが可能となるため、運用コストの削減にもつながります。

 一方、ホスティングは、データセンターが所有するサーバーをレンタルして使用する方法です。この場合、運用や保守はデータセンター側が行い、企業は自社で物理的な設備を持たずにすむため、さらに費用面での負担が軽くなることが一般的です。これにより、企業は運用に直接かかわる負担を大幅に軽減することができます。

クラウドとの比較

 データセンターとクラウドはしばしば混同されがちですが、それぞれ異なる特徴を持っています。データセンターは、物理的な設備を保有し管理するもので、ハウジングやホスティングを通じて、自社のサーバや機器を物理的に移動し、運用することが可能です。これに対して、クラウドは、データセンターに収容されるIT機器のリソースを利用してサービスを提供する形態です。

 クラウドの利点は柔軟性にあり、サーバーやストレージのリソースが必要に応じて迅速に拡張可能です。また、クラウドサービスはインターネットを介しての管理・アクセスが可能であるため、物理的な機器の管理から解放され、運用の手間も軽減されます。クラウドサービスにおいては、初期投資が少なくて済み、スケーラビリティの高いシステム構築が可能です。

 このように、データセンターとクラウドには、それぞれの特徴と利点があります。企業がどちらを選択するかは、事業のニーズや将来的な展開によって決まります。どちらも、その特性を理解し、戦略的に活用することで、ITインフラの最適化が可能になります。

転職のご相談(無料)はこちら>

データセンターの役割と利点

消費電力の効率化

 データセンターは大量のサーバやデータ通信機器を集積する施設であるため、消費電力の効率化が重要な課題となります。効率的に電力を消費する技術や設備を導入することによって、環境への負担を軽減し、運用コストを削減することが可能です。特に最新のデータセンターでは、自然冷却技術や再生可能エネルギーの活用が進んでおり、その結果、持続可能な運用が実現されています。

データの安全な保管方法

 データセンターは物理的に安全性の高い環境を提供することで、データの保護に寄与しています。耐震構造や火災抑制設備、厳重なセキュリティ管理により、災害や不正アクセスからデータを守ります。また、冗長化された電源設備とバックアップシステムにより、停電など不測の事態にも対応可能です。これにより、企業の重要なデータが安全に保管され、信頼性が確保されます。

事業継続性の確保(BCM)

 データセンターは、事業継続性の観点からも重要な役割を担っています。耐震構造や異常時の迅速な対応が可能な仕組みを備えているため、災害時にも安定したサービス提供を行うことができます。また、データセンターの利用によって、地理的に分散されたデータの冗長化が実現し、自然災害やその他のリスクに対する備えが強化される点も大きな利点です。これにより、企業は安心して事業の運営を続けられます。

転職のご相談(無料)はこちら>

データセンターの選び方

立地条件の重要性

 データセンターを選ぶ際に立地条件は非常に重要です。特に、日本のような自然災害が多い地域では、耐震構造がしっかりしているかどうかが大きなポイントとなります。データセンターは多くの通信回線を引き込んでいるため、万が一の災害時でもサービスが途絶えないよう、光ファイバーの引き込みルートが多様であることも重要です。また、電力供給が途絶えた場合に備え、大容量の蓄電池や自家発電装置を備えた施設を選ぶことで、事業の継続性を確保することができます。

折衷案としてのハイブリッド環境

 データセンターの選び方として、オンプレミスとクラウドを併用するハイブリッド環境を検討することも賢明です。これにより、データ管理の柔軟性が向上し、コスト効率も高まります。ハウジングサービスを利用して自社のサーバをデータセンターに預けつつ、クラウドサービスを併用することで、物理的なインフラの維持管理費を抑えつつ、クラウドのスケーラビリティを利用することが可能です。また、データセンターの高度なセキュリティ管理により、データの安全性も向上します。ハイブリッド環境は、企業のITインフラの柔軟な運用を可能にし、変化するビジネスニーズにも対応しやすい選択肢です。

転職のご相談(無料)はこちら>

データセンター市場の動向

国内外の主要なデータセンター集積地

 データセンターは、インターネット用のサーバやデータ通信機器を集積し、大量のデータを安全に管理する施設です。この重要な役割を果たすために、世界各地に多くのデータセンターが設置されています。特に米国では、データセンターの数が5,381を超えており、世界最大のデータセンター集積地として知られています。日本では、219のデータセンターが展開されており、特に東京や大阪といった大都市圏が主要な集積地となっています。また、欧州合計では約2,100のデータセンターが稼働しており、各国で地域的な特性に合わせたデータセンターが展開されています。

最新の技術トレンド

 データセンター市場は、絶えず進化する技術トレンドによって大きな変革を遂げています。最近のトレンドの一つは、環境に優しい省エネルギー技術の導入です。これは、データセンターが大量の電力を消費することから、消費電力の効率化が求められるためです。また、災害耐性とセキュリティの向上も重要なトレンドです。耐震構造の建物設計や最新の消火設備、冗長化された電源システムの採用によって、データセンターはリスクに強くなっています。さらに、クラウドサービスの急速な普及も無視できないトレンドです。クラウドとデータセンターの連携により、柔軟でスケーラブルなITインフラの構築が可能となり、多くの企業がハイブリッド環境を選択しています。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)