コンストラクション・マネジャー資格とは?資格の種類と取得のメリット

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コンストラクション・マネジメントとは

CMの基本概念と役割

 コンストラクションマネジメント(CM)とは、建設プロジェクトにおける計画、設計、施工および管理の全過程を統括するプロセスを指します。CMの役割は、発注者の立場からプロジェクトを円滑に進行させ、コスト、品質、スケジュールの三要素をバランスよく管理することにあります。具体的な業務としては、プロジェクト全体の進行管理、リスクの評価、品質保証を行うことが挙げられます。コンストラクション・マネジメントの成功には、適切な資格の取得や経験が不可欠であり、これが高品質なプロジェクト達成に寄与します。

CM方式の必要性

 近年、建設プロジェクトの複雑化および専門化が進む中で、CM方式の導入がますます重要視されています。CM方式とは、プロジェクトの各段階において専門的な知識を持つ建設プロフェッショナルが関与し、透明性の確保や情報の共有を通じて、プロジェクトの成功を導く手法を指します。これは、技術者不足や建設費の不安定化といった現代の建設業界が抱える課題に対応するための有効な手段です。CM方式を採用することで、適切な説明責任を果たし、関係者間のコミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めることが可能となります。

CMとゼネコン、設計事務所の関係

 コンストラクションマネジメントの導入により、ゼネコン(総合建設業者)や設計事務所との役割分担が明確になり、プロジェクト管理がよりスムーズになります。CMは、発注者代表としてゼネコンや設計事務所と連携しながら、各業者間の調整および統合を行います。これにより、設計から施工までの全工程において効率的なプロジェクト遂行が可能となります。また、CMが主体となることで、各専門家が最適なパフォーマンスを発揮でき、プロジェクト全体の品質向上に寄与します。コンストラクションマネジメント資格による専門性の高さは、それぞれの組織との協調関係をさらに強固にする要素となります。

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コンストラクション・マネジャー資格の種類

 コンストラクション・マネジメントの分野でキャリアを発展させるためには、適切な資格を取得することが重要です。日本においては、認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)とアシスタントコンストラクション・マネジャー(ACCMJ)の2つの資格が主に提供されています。これらの資格は、それぞれが異なるスキルレベルと経験を持つプロフェッショナルを対象としており、どちらもコンストラクションマネジメント分野での効果的なスキルアップをサポートします。

認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)

 認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)は、日本コンストラクション・マネジメント協会(CMAJ)によって認定される資格であり、2005年に設立されました。この資格は、特に実務経験を持つプロフェッショナルを対象としており、資格取得者には高度なコンストラクションマネジメントスキルが求められます。CCMJは、日本における建設プロジェクトの効果的な管理と運営を促進するための重要な資格とされています。

アシスタントコンストラクション・マネジャー(ACCMJ)

 アシスタントコンストラクション・マネジャー(ACCMJ)は、コンストラクションマネジメント分野に興味を持ち、将来的にこの領域でのキャリアを考える全ての人を対象にした資格です。この資格は、初心者や関連業界に新たに参加しようとする人々に対して門戸を開き、基礎的な知識とスキルを習得するための機会を提供します。資格取得には特定の実務経験を必要としないため、幅広い層が取得可能です。また、ACCMJ合格者は、その後CCMJ資格を目指す際に知識試験が免除される特別措置も設けられており、スムーズなステップアップが可能です。

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認定CM資格(CCMJ)の取得方法

試験の概要と日程

 認定コンストラクション・マネジャー(CCMJ)資格の試験は、コンストラクションマネジメントのプロフェッショナルとしての能力を証明する重要なステップです。この試験には、主に知識試験と能力試験の2種類があります。知識試験は8月に実施され、約50問の択一式問題で構成されており、試験時間は120分です。具体的には、2023年度は8月19日から27日の間に行われました。一方、能力試験は9月3日に実施され、記述式問題を含む論述試験です。試験は全国47都道府県の約300カ所のテストセンターで受験可能です。

受験資格と必要な経験

 CCMJ資格を取得するためには、受験者は建設プロジェクトに3年以上の実務経験を有していることが求められます。具体的には、建設プロジェクトでの計画、設計、工事監理などの業務に従事してきた経験が必要です。受験前には、実務経験に関する申告を行い、正確に内容を記載することが求められます。虚偽の申告が発覚した場合、試験合格は無効となり、資格登録が抹消される規定があるため注意が必要です。これらの要件は、日本コンストラクション・マネジメント協会(日本CM協会)によって設けられたものであり、コンストラクションマネジメント資格に必要なスキルと知識を確認する意図があります。

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CCMJ試験の内容

 CCMJ資格の試験は、コンストラクションマネジメントに関わる知識と能力を評価することを目的としています。この試験は日本コンストラクション・マネジメント協会(CMAJ)が実施しており、合格することでコンストラクションマネジャーとしての専門的なスキルを証明できるとされています。試験は知識試験と能力試験の二つに分かれており、それぞれが異なる側面から受験者の理解度と実務能力を測ります。

知識試験

 知識試験は、コンストラクションマネジメントに関する基本的な知識や理論を問われる試験です。試験は約50問程度の択一式問題から構成され、設計、工事監理、CMr(コンストラクション・マネジャー)の法律的責任など、コンストラクションマネジメントの幅広いトピックが出題されます。試験時間は120分で、2023年度の場合、8月19日から27日まで実施されます。この試験は、CM職能についての理解を確立するために不可欠な試験です。

能力試験

 能力試験は、受験者が持つ実務での問題解決能力を測るための試験です。こちらは論述形式で、具体的な建設プロジェクトの場面を想定した問題が出題されます。受験者がどのようにプロジェクトを調整し、適切な判断を下すかを評価することが目的です。この試験は2023年度には9月3日に実施され、試験時間は120分で、午前と午後の計2回に分けて行われます。この試験の合格は、コンストラクションマネジメントの実践において重要なスキルを証明するものとなります。

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CCMJ資格取得のメリット

建設業界でのキャリアアップ

 CCMJ資格を取得することで、建設業界におけるキャリアアップが大いに期待できます。この資格は、日本コンストラクション・マネジメント協会が認定しているため、業界内での信頼性や認知度が高いです。特に、コンストラクションマネジメントの知識と実務経験を持つ証として、企業からの評価も向上します。また、CCMJ資格を持っていることは、プロジェクトマネジメント能力や専門的知識を証明することができ、昇進や新たな役職への道を切り開く大きな助けとなります。

業務プロポーザルでの有利性

 CCMJ資格は、業務プロポーザルにおいて大きな利点を提供します。資格保持者は、コンストラクションマネジメントの専門知識を持っていることが認められているため、プロジェクト受注の際に競争力が高まります。特に、地方自治体などの公共事業案件では、資格保持者がいることで、プロポーザルの説得力や信頼性が増し、発注者に対して優位性をアピールすることができます。さらに、CM方式が求められる場面では、CCMJ資格がその導入と実践における確実な能力を示すものとして機能します。

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CCMJ資格取得のための勉強方法

推奨する教材と参考書

 CCMJ資格取得を目指すには、まずは効果的な教材と参考書を選ぶことが重要です。特に、日本コンストラクション・マネジメント協会(CMAJ)が提供する公式テキストや模擬問題集は、試験範囲をカバーするために非常に役立ちます。また、建設プロジェクトに関する具体的な実例を含む参考書も併せて活用すると、実務との関連性を持って知識を深めることができます。さらに、過去の試験問題を用いて傾向を把握することも、試験対策には大いに貢献します。

試験対策講座の活用

 CCMJ資格に合格するためには、試験対策講座を活用することも非常に効果的です。多くのスクールや専門機関が提供する対策講座では、専門家が試験のポイントや重要項目を重点的に教えてくれるため、独学では得にくい理解が深まります。また、模擬試験を通じて自分の実力を確認し、弱点を知る機会ともなります。対策講座を利用することで、効率的に勉強計画を立て、確実に知識と能力を高めることができるでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)