コトラ（広報チーム） 
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はじめに
製造業をはじめ、多くの企業で重要な役割を果たす「購買・調達」業務。購買や調達と聞くと「物を買う」仕事というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、その業務は単なる発注業務にとどまらず、コスト削減や納期管理、品質の確保など、企業の利益に直結する重要な役割を担っています。本記事では、購買・調達業務の具体的な仕事内容や、その業務に向いている人の特徴、さらに求められるスキルについて詳しく解説します。
購買・調達とは？
購買・調達とは、企業が製品やサービスを提供するために必要な原材料や部品、資材を外部から購入し、調達する業務です。特に製造業においては、購買・調達部門が、製品を製造するために必要な原材料や部品を仕入れ、それを適切なタイミングで製造ラインに供給する役割を担っています。
「購買」と「調達」の違い
「購買」と「調達」は似たような意味を持つ言葉ですが、厳密には少し異なる業務を指します。
- 購買（Purchasing）：必要なものをお金を払って購入すること。通常、標準品や市販品などを対象とし、日常的な業務の一環として行われます。
- 調達（Procurement）：必要なものを確保すること。購買に加え、供給者の選定や価格交渉なども含まれ、戦略的な視点で行われます。
企業によっては、これらを一つの業務として扱うこともあり、「購買調達部門」として一括して管理される場合もあります。
www.kotora.jp購買・調達業務の具体的な仕事内容
購買・調達業務には、主に次のような業務があります。
1. 見積評価と価格交渉
購買・調達の第一歩は、複数の供給者から見積もりを取り、その評価を行うことです。設計や製造部門から提示される要求仕様に基づいて見積依頼を作成し、候補となる供給者に見積を依頼します。その後、価格、納期、品質などを総合的に比較・評価し、最適な取引先を選定します。
2. 発注
見積評価が終わると、選定した供給者に対して正式に発注を行います。この際、取引条件や支払い方法、納期、品質保証などを明記した「基本契約書」を締結し、双方が同意のもと契約を結びます。
3. 納入処理と検収
発注後は、納期の管理や納入された商品の品質チェックを行います。納品された物品が要求された品質を満たしているかを確認し、不適合品があれば供給者に連絡して交換や修正を依頼します。また、納期遅れがないかを管理し、必要に応じて供給者と調整を行います。
購買・調達のやりがいとは？
購買・調達業務は、企業の利益に直接的に影響を与える重要な業務です。企業が製品を作る際、その原価の多くは外部から調達する原材料や部品に依存しており、購買・調達の担当者がどれだけ効率的にコスト削減を行えるかが企業の競争力を左右します。また、価格だけでなく、品質や納期を確保することも重要で、これら全ての要素をバランスよく管理することで、企業全体のパフォーマンスに貢献するやりがいがあります。
購買・調達業務に求められるスキル
購買・調達業務を成功させるためには、以下のようなスキルが求められます。
1. 市場動向に関する知識
購買・調達業務では、原材料や部品の価格は市場の動向に左右されます。そのため、国内外の経済状況や市場のトレンドを把握し、それに基づいて適切な判断を下す能力が求められます。特に輸入品を扱う場合は、為替の変動や輸送コストの変化にも敏感でなければなりません。
2. コミュニケーション能力
購買・調達業務では、社内外の多くの関係者と連携する必要があります。社内の設計部門や製造部門、さらには供給者との間でスムーズにコミュニケーションを取り、トラブルが発生した際には迅速に対応できる能力が求められます。
3. 交渉力
価格交渉や納期調整など、供給者との交渉は購買・調達業務の重要な一部です。ただ単に価格を下げるだけでなく、供給者との信頼関係を築きながら、互いに利益を得られるような合意を形成することが求められます。
4. スケジュール管理能力
製造ラインが滞りなく動くためには、適切なタイミングで必要な部品や材料が供給されることが不可欠です。複数の供給者や部品を同時に管理し、納期を守りながら業務を進めるためには、高いスケジュール管理能力が必要です。
購買・調達業務に向いている人の特徴
購買・調達業務に向いている人には、次のような特徴があります。
1. 向上心がある人
購買・調達業務では、常に新しい情報をキャッチし、それを業務に活かすことが求められます。そのため、学び続ける姿勢や、自己成長を求める向上心がある人が向いています。
2. 責任感が強い人
購買・調達業務では、取引先の選定や納期管理など、責任重大な業務が多くあります。時にはプレッシャーを感じることもあるでしょうが、責任感が強い人であれば、粘り強く業務を遂行することができます。
3. マルチタスクが得意な人
購買・調達業務は、価格交渉、発注、納期管理、検収など、複数の業務を同時にこなすことが求められます。そのため、複数のタスクを効率的にこなすことができるマルチタスク能力を持つ人が向いています。
購買・調達の仕事に携われる業界
購買・調達業務は、製造業をはじめとする多くの業界で必要とされています。特に以下の業界では、購買・調達の担当者が求められています。
- 自動車
- 輸送機器
- 産業機器
- 医療機器
- 宇宙開発
- 建設・プラント
- インフラ
これらの業界では、購買・調達が製品の品質や納期、コストに大きな影響を与えるため、その重要性は非常に高いです。
未経験から購買・調達業務に挑戦できるか？
購買・調達業務は、経験者が有利ですが、未経験からでも挑戦することが可能です。特に、基本的なPCスキル（ExcelやWordの操作）やコミュニケーション能力があれば、業務に必要なスキルは働きながら学ぶことができます。未経験者を歓迎する企業も多いため、購買・調達に興味がある場合は、積極的に挑戦してみると良いでしょう。
まとめ
購買・調達業務は、企業の利益に直結する重要な役割を担っています。原材料や部品のコストを削減し、納期や品質を確保することは、企業全体のパフォーマンス向上に大きく貢献します。また、購買・調達業務には、市場動向の把握や交渉力、スケジュール管理能力など、多岐にわたるスキルが求められます。これらのスキルを活かし、製造業や他の業界で購買・調達業務に携わることは、大きなやりがいとキャリアアップの可能性を秘めています。
購買・調達業務に興味がある方は、自分の強みを活かし、積極的に挑戦してみてください。
