本記事では、企業の自然エネルギーの活用方法として注目を浴びている「コーポレートPPA」についてわかりやすく解説し、関連する求人情報を紹介します。
コーポレートPPAとは
「コーポレートPPA」とは、企業が発電事業者から自然エネルギーの電力を長期的に(5~20年)購入する契約のことです。
電力を購入する企業のメリットとして、再生可能エネルギーによる電力を長期間、安定的に調達できる点があります。発電事業者側としては、売電先が長期に渡って固定されることで、安定した事業を営むことができます。
自然エネルギーを必要とする企業が増え、太陽光発電と風力発電のコストが火力発電や原子力発電よりも安くなったことにより、コーポレートPPAは活発になってきました。特に資金力のある大手企業が契約を結ぶ事例が増えてきています。
コーポレートPPA拡大の3つの背景
コーポレートPPAが拡大する背景には、主に3つの要因があります。
①気候危機の問題
事業活動で使うエネルギーが火力発電に依存していると、気候危機が加速し事業活動に必要な資源が失われていきます。言わば、自分で自分の首を絞める状態になってしまうのです。
事業活動の継続のため、自然エネルギーの活用が求められています。
②自然エネルギーのコストの低下
火力発電は化石燃料の価格変動に大きな影響を受けるため、資源が少なくなればなるほど企業が支払うコストは高くなってしまいます。この先、火力発電エネルギーを使用するコストが増加する可能性が高いことを考慮すると、企業の経済的な事業持続性は低くなることが予想されます。
一方、太陽光発電と風力発電のコストはここ10年で大幅に減少し、世界全体では最も価格の低い電力エネルギーとなっているため、コーポレートPPAが注目され始めています。
③投資家・消費者への信頼性
気候危機や電力コスト増加の問題に明確な対策を取らない企業は、資金を提供する投資家から事業継続性がないと判断されてしまいます。また、そのような悪評により消費者からの信頼が落ちてしまう可能性もあります。
自然エネルギーを利用して、企業の競争力を落とさず、むしろ向上させていくことが課題になると言えるでしょう。
コーポレートPPAの契約形態
コーポレートPPAの契約形態には、大別して「フィジカルPPA」と「バーチャルPPA」の2種類があります。
さらに、フィジカルPPAは「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に分けられます。
【フィジカルPPA】
「フィジカルPPA」とは、企業が発電事業者から、自然エネルギーの電力とCO2を排出しない環境価値(証書)の両方を買取る形態のことです。フィジカル(現実)に電力を送るため、このような名前となっています。
フィジカルPPAは、送電方法によって「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に分けられます。
「オンサイトPPA」とは、企業の敷地や屋根などに太陽光発電システムを設置し、発電した電力を企業に提供する仕組みです。企業は固定価格で電力料金を支払うことになります。
初期費用や運用・保守のコストが少なく、日本で主流のPPAとなっています。
「オフサイトPPA」とは、企業の敷地から離れた場所から自然エネルギーの電力を企業に提供する仕組みです。企業は固定価格の電力料金に加え、送電線ネットワークの使用料を支払います。
【バーチャルPPA】
バーチャルPPAはフィジカルPPAとは異なり、発電事業者と企業の間に直接の供給関係はありません。
企業は通常通り小売電気事業者から電力を購入し、発電した電力と同量の環境価値(証書)も得ることができます。
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